第5話

弐%目
655
2024/05/03 02:37 更新
??Side




今日はただ

五条家に生まれた六眼のガキどもを見に来ただけだ

それだけだったはずだ

だがその片方を、何故か娘のように思った、俺にガキはいないのに……

弟の方は振り返って俺を見たが、そいつは振り返らなかった 

だがそいつが角を曲がった瞬間




あいつは振り返って言った



「お父さん」



嗚呼、こいつは俺の娘だ



前世の、俺の娘



今、思い出したよ







会いたいけど、逢いたくなかった



甚璽
甚璽




彼は少し目線を落として



バツが悪そうに言った



私が口を開きかけたが



それより先に父さんが喋った
甚璽
甚璽
悪かった
杏蓮
ぁ、




なんで謝るのか聞きたいのに、涙が溢れるせいで、言葉が出ない



お父様が私と目線を合わせて言った
甚璽
甚璽
置いてって……悪かった
杏蓮
置いてかないで………
杏蓮
死んじゃいやだ…………
ほんと、自分のことばっかりで嫌になる
でも私の口から出てくるのは己の願望だけだ
今の私は、捨てられかけた子供だ
甚璽
甚璽
約束だ
甚璽
甚璽
もうお前を独りにしない、絶対だ
甚璽
甚璽
お前が幸せになる日まで
甚璽
甚璽
ずっとそばにいる
そう言うと彼女は安心したようにまるで太陽のように笑って、
また頬に涙が伝った

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