先生の声が耳に届き、はっと我に返った。
やばい…見とれてた。
、、、かっこいいなぁ、、、
柄にもなく、こんな事を考えてしまう。
早くなる鼓動で胸が苦しくなる。
………は…??
石神くんが私の真横に座る。
間近で見るともっとかっこいい…
どんどん熱くなる私の頬を冷ますのに精一杯で、
代数の授業なんか、まるで耳に入らなかった。
これが私の初めての夏の始まりだった。
千空くんと話す時、いつも少し意識してしまう。
他の男の子と話す時はそんな事なかったのに。
ページ数を教えている間の反応が知りたくて、ちらっと上を見る。
ルビーみたいな綺麗な赫が私を捉える。
石神くんとの距離が数センチしかなくて、
私の鼓動の音も聞かれてしまう気がしてぱっと離れる。
石神くんがそっぽ向いてくれて、寂しい気もするけど、ちょっと安心した。
私ばっかり、ドキドキしているみたいで、恥ずかしい。
こんなの心臓もたないよっ…!!///////
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。