第10話

仮入部期間……
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2025/11/01 02:19 更新
新学期が始まってから1週間
校内はどこか浮き立った空気に包まれていた
それもそのはず――今日から1年生にとって大きなイベント、仮入部期間が始まるのだ
相沢りの
相沢りの
(心の声)部活かぁ……。どこに入ろうかな。運動は苦手だし、文化部の方が合ってる気がするけど……
東京都立青葉台高等学校は、運動部も文化部も種類が豊富だった
運動部はサッカー部、卓球部、男子バスケ部、女子バスケ部、男子バレー部、女子バレー部、ソフトボール部、野球部、硬式テニス部
文化部は漫画・アニメ部、イラスト部、美術部、吹奏楽部、茶華道部、スクールアイドル部、eスポーツ部、軽音楽部
どの部活も先輩たちが勧誘のビラを配り、廊下や昇降口は賑やかな声であふれていた
昼休み、りのが教室でお弁当を片付けていると、副担任の 知念侑李先生 が声をかけてきた
知念侑李
知念侑李
相沢さん、もう仮入部は決めた?
相沢りの
相沢りの
いえ……まだ迷ってて。運動部はちょっと自信がなくて……
知念侑李
知念侑李
そうだよね。でも、りのさんにはスクールアイドル部なんてどうかな?僕が顧問をしてるんだ。歌やダンスを通して自分を表現できるし、仲間と一緒に頑張れる部活だよ
相沢りの
相沢りの
スクールアイドル部……ですか?
知念侑李
知念侑李
うん。ピアノが弾けるって聞いたし、音楽のセンスもあると思う。きっと楽しめると思うよ
りのは少し驚いた
自分がアイドルなんて、とても想像できなかったからだ
相沢りの
相沢りの
(心の声)私が……スクールアイドル?でも、音楽は好きだし……ちょっと気になるかも
放課後、りのは勇気を出してスクールアイドル部の部室を訪ねてみた
扉を開けると、先輩たちが明るい声で迎えてくれる
先輩部員A
先輩部員A
こんにちは!今日から仮入部だよね?
先輩部員B
先輩部員B
ようこそ、スクールアイドル部へ!
部室には鏡張りの壁と音響機材が揃っていて、まるで小さなスタジオのようだった
先輩たちは笑顔で自己紹介をし、りのに簡単なステップを教えてくれる
相沢りの
相沢りの
えっ……足をこう?あ、違う……
先輩部員A
先輩部員A
大丈夫大丈夫!最初はみんなできなかったから
ぎこちない動きに笑いが起きるが、それは決して馬鹿にするものではなく、温かい雰囲気に包まれていた
練習が終わる頃、りのは汗をかきながらも、不思議と心が軽くなっているのを感じた
相沢りの
相沢りの
(心の声)難しかったけど……楽しかった。こんなに笑ったの、久しぶりかも
帰り際、知念先生が声をかけてきた
知念侑李
知念侑李
どうだった?スクールアイドル部
相沢りの
相沢りの
……すごく楽しかったです。でも、私にできるかどうかはまだ分からなくて……
知念侑李
知念侑李
できるかどうかより、やってみたいかどうかが大事だよ。仮入部は1週間あるから、ゆっくり考えればいい
相沢りの
相沢りの
……はい!
校門を出ると、夕焼けが空を染めていた
りのの胸の中には、不安と同じくらいの期待が芽生えていた
相沢りの
相沢りの
(心の声)スクールアイドル部……。私にできるかな。でも、もう少しだけ挑戦してみたい
その小さな決意が、りのの新しい物語の扉を開き始めていた

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