(夜風が吹き抜ける。工場の裏口から外へ飛び出す)
莉犬(息を切らしながら)「……ほんとに……外、だ……」
ななもり(警戒しつつ辺りを見回す)「警備なし。脱出成功、だな。」
(遠くで犬の鳴き声。空に星がちらつく)
莉犬(震える声)「こんな空、どれくらいぶりだろ……」
ななもり「……お前が見られるように、俺がここまで運んだ。」
莉犬「……なーくん……俺、まだ……生きてていいのかな……?」
ななもり(ゆっくりと笑う)「何言ってんだよ。ここまで来て、今さら。」
(車のドアを開ける音)
ななもり「行くぞ、帰る場所がある。」
莉犬(小さく笑って)「……うん。ただいま、って言えるかな……」
ななもり「……言えばいい。何度でも、俺が聞いてやる。」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。