syota side
新曲の歌割り表が配られた 。
メインボーカルは俺なんだ 、いつも通りの歌割りなはず
なんて
思っていた俺が馬鹿だったのか 。
渡辺) ……は 、?
岩本) 翔太 ?なんかあった ?
渡辺) っ 、いや……うんいいわ
なんとなく口に出したら俺のプライドが傷付く気がして口に出すのはやめた 。
なんで 、なんでいつもは俺のパートなのに
俺の 、場所なのに 。
俺の嫌いで仕方ないあなたに追い抜かれてんだよ
むかついて仕方ないから 、アイツの後を着いて行った
ふらふら 、と不安定に歩くアイツは屋上にあるベンチに座ってまだ少し明るい空を見上げている
渡辺) …なに 、あいつ
馬鹿らしい 、辞めよう 。
そう思い 、屋上を離れようとした時だった
今まで聞いたこともない 、綺麗でずっと耳に入ってくるような美しい声
その声の正体は 、間違いなくアイツだった
その瞬間 、全部が崩れるような感覚がして
俺の歌 、という1つの魅力が盗られたような
そんななんとも言えない感情に包まれた 。
深澤) お 、翔太 !どこいってたんだよ 、もう帰るぞ……て翔太 ??
渡辺) なんで 、
気付いたら照の前に立ってて 、止められなくなってた
渡辺) っ 、なんで…新曲の歌割りあなたを増やしたんだよ !!!!、歌は…俺のモンだろ 、?
岩本) …そのまんまだよ 。あなたは努力して上がってきた 。ただそれだけ
当たり前 、と言いたげな声色でそう告げられた
渡辺) 俺が間違ってたのかよ 、!………あなたは !…練習にも来ない !マネージャーを虐めた !そうじゃねえの ?!、
もう半分やけくそだった
自分の信じてきたものが一気に崩れた気がして止められなかったから 。
もう 、何が正解なのか分からなくなっていたから 。
岩本) あなたは …影で努力してるよ 。もうこの話 、やめよう
泣きそうな俺の隣をすっ 、と通り過ぎていく照
そんな彼に続いて出ていくメンバーたち
楽屋に残ったのは俺と………。
渡辺) …お前かよ 、あなた
あなた) はぁ 、30にもなって泣いてんの ?……みっともない
がさがさと荷物を片付けるあなた
俺が愚痴を今吐けるのはお前しかいなかったから 。
渡辺) 昨日まで普通だったのに ……今日で全部崩れた気がするんだよ 、
あなた) へぇ 、大変
渡辺) 俺の武器だと思ってたもので抜かされて 、信じていた人も 、出来事も………全部嘘だった
あなた) ふは 、だろうね 笑笑
誰を信じたらいいんだよ 、なんて零す俺にカツカツと近づくあなた
あなた) 私を信じれば ?
渡辺) 、は?
あなた) 私を信じろって 。誓うよ 、私は決して嘘もいじめも脅迫も何もかも全部していない
渡辺) でも 、今更信じたって !!!、
あなた) うん 、遅いよ 笑…………遅いけど 、罪償いは出来るでしょ ?
俺を抱きしめたあなたの温もりは 、昔と変わらないままだった 。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。