その後、唯は全ての授業を居眠りで過ごした。
殺せんせーが1分ごとに起こすが、反応なし。
まるで死んだように眠り続け____
帰りのHRが終わった途端に目を覚ました。
まるで”終わる時間がわかっていたかのように”。
ほら、ずっと寝てたから話せなかったし!
と言って誘ったのはショートが似合う岡野ひなただ。
唯に肩を組みながら聞いたのは
金髪のチャラい雰囲気をもつ前原陽斗。
隣には、クラス委員である
アホ毛が目立つ磯貝優馬がいた。
てかあんたイケメンだね。
と磯貝の頭を撫でる唯に、
磯貝は顔を赤らめる。
意外と初心なんだなと母性をくすぐられた。
後ろから鋭いツッコミをしたのは赤羽業。
元A組で、A組からE組を庇ってボコった結果、
停学処分とE組へ降格というダブルパンチを受けた。
唯ほどではないがよく授業はサボっていた。
まぁ唯が学校に行かないので関わりは今日が初めてだが。
カルマ、岡野、前原、磯貝、そして唯のメンツで山を下りる。
中3が暗殺のことを嬉々として話し合う。
常識から考えてありえない光景だが、
ここではそれが当たり前だ。
だが唯はそれを見てがっかりした。
校門前に近づくと女子の大群が群がっていた。
またあいつらか……。と唯は顔を顰めた。
そんなことありえないのに
カルマは変な妄想をして
1人でケラケラと笑っている。
唯はその女子の群がりに
突っ込んで行った。
もちろん、3人は目を見開いた。
突っ込んでいったことにではない。
”女子に囲まれているなにかが
女子を押し退け唯の方へ向かっていったからだ”。