僕達は、リビングに入る。今の時刻を確認すると、20時のようだ。
小豆沢冬花…。小豆沢こはねさんの姉で、個人でアイドル活動をしている。
冬花が僕を睨みながら、言う。
…そうだ。高校生の頃、僕は冬花に告白された。その時は、昔のことをまだ引きずっていたため、誰かと付き合うことすら、考えてもいなかった。だから、断った。
僕は、少し戸惑い、奏の方を見る。
高校時代は、少し、この家で遊んだこともあるため、奏と冬花は、前々から面識がある。
冬花が頬を膨らませる。アイドルの自覚はあるのだろうか?僕はそう思いながら、夜ご飯を作り始めた。
私は、兄さんがご飯を作ってる間、冬花さんと話していた。
兄さんの見た目のどんなところが好きなのか、たくさん聞かされた。…すごい勢いだった。
僕は、夜ご飯を作り終え、テーブルに並べていた。すると、蒼と水夏が風呂から上がって来た。今日も、蒼は疲れた顔をしている。
蒼が冷蔵庫から飲み物を取り出しているところに、僕は話しかけた。
僕達は、夜ご飯を食べた。僕が高校生の時は、冬花と奏も度々会っていたため、全然話せるようだ。まふゆさんも、最初こそ警戒していただろう。しかし、さすがアイドルのコミュ力と言うべきか、ある程度は打ち解けることができたようだ。
僕は、夜ご飯の片付けと入浴を終わらせて、自分達の部屋に戻って来た。…部屋の中を見ると、冬花が笑顔で話してる横で、顔を真っ赤にしている奏がいた。
僕は頭を抱えた。まふゆさんに教えてもらうつもりだったのに対して、人が変わっただけではあるが…。
冬花が僕の手を思いっきり引き、ベッドに押し倒す。
僕は、全身に力を入れて、起き上がり、冬花を押し倒し返す。そして、冬花の両腕を片手で押さえる。そのまま僕はベッドに座る。
腕を押さえられたまま、冬花が暴れる。
奏は大丈夫と言っているが、実際は、そんなことはないようだ。見たこともないくらい、目を見開いて驚いている。
私は、お風呂で1人、考え事をしていた。冬花さんにいろいろ聞いてから、心が落ち着かない。…でも、「あなたの下の名前兄さんが」となると、全く想像ができない。
本当に、何で冬花はこんなに活発なのか。水夏の親友だというのに、考えてることは大違いだ。
どうやら、奏が戻って来たようだ。
奏が心配するのも無理はない。冬花は、僕が腕を押さえているにも関わらず暴れていたせいで、服が脱げかけていたり、しわしわになっている。…僕は、その冬花を押さえ付けていたため、体力がだいぶ減っていた。
僕は、手を離す。
すると、冬花がベッドから起き上がり、風呂へ向かう。その途中、僕の腕を掴もうとしたので、それを避ける。
さっきから、奏が目を合わせてくれない。何か、気に触るような事をしてしまったのだろうか?今思い返せば、冬花に対して、高校生の時のような対応をしてしまっていた。
奏が目を合わせてくれた。しかし、時間が経つにつれて、奏の顔が赤く染まっていき…目を逸らす。
奏が自分の耳に触れる。
奏が顔を真っ赤にしたまま、聞く。


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。