奏から、その質問をされることがあるとは、全く思っていなかった。…僕は、その質問に、正直に答える。
水夏がお風呂から帰って来たらしく、僕の後ろに立っていた。…心臓に悪い。
自分で言ったことを即否定したな…。本当に、一途なのはすごいが、もう少し抑えて欲しい。せめて、奏の前では。
元々、1人用のベッドだ。それを、今までは無理矢理2人で使っていたのだ。3人はさすがに入らないと思うが…。
冬花が奏に話しかける。…何かコソコソと冬花が喋っているようだ。奏の顔が少しずつ赤くなっていった。
奏が何か考えている。たぶん、冬花から提案されたことについてだろう。
僕は、奏に言われた通りに、ベッドの端に横になる。
すると、奏が僕の上に乗り、僕に抱きつくように横になった。
冬花が部屋の電気を消し、ベッドに乗る。
僕は、もう眠気が限界になったので、目を瞑り、寝た。
やっぱり、兄さんに褒められると、とても嬉しくなる。…消えなくてよかったと思える。私はまだ、まふゆを救えてないし、まだまだたくさんの人を音楽で救わないといけない。でも、疲れた時には、こうやって、兄さんに甘えるのも、良いのかもしれない。
冬花さんは…兄さんのことが大好きな仲間だ。少し嫉妬してしまうところもあるけど…。
私は、兄さんの上で横になっているのが心地良くなり、自然と眠った。
朝起きると、少し違和感があった。いつもは、奏1人分の重さしか感じないのだが、今日は、何故か2人分になっている。まさかと思い、目を開けると、奏の他に、冬花が僕に抱きつくように寝ていた。本当に僕は、寝ている時は無防備らしい。
僕が、そんなことを考えていると、冬花が目を覚ました。
そんなことを話していると、奏が目を覚ました。
奏は寝ぼけているのか、僕を力いっぱい抱きしめた。
冬花は何を思ったのか、僕から手を離し、キッチンへと向かった。…これ以上掴まれていても、僕が困るだけだったのだが…。
奏が顔を上げた。僕を見つめるその目からは、光が薄れていた。
それを聞く奏の目には、涙が少し浮かんでいた。夢というものは恐ろしいな。
さっき冬花は、このことを察して部屋を出たのだろうか?高校の頃からだが、人の気持ちを読み取るのが上手すぎるな。
奏は安心したのか、今度は僕の隣で横になった。そして、僕の手を握り、言う。
奏は、そのまま僕に抱きついた。僕も、奏を抱きしめ返す。
奏は冬花が言っていたように、すごく素直で良い人だ。しかし、良い人であるが故に、我慢し過ぎてしまうこともある。僕は、その面で支え続けなければならないだろう。
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。