第34話

番外編6 メリークリスマス!
55
2025/12/24 23:55 更新
12月25日…それは、クリスマスという年に一度のイベントだ。本来は、イエス・キリストの降誕を記念する祭りなのだが、日本ではみんなが楽しむイベントとなっている。まあ「みんなが」と言っても、限られた人の可能性もある。
そんな今日は、僕と奏、まふゆさん、蒼、水夏、冬花で集まっていた。
(なまえ)
あなた
えっと…
今、僕達は少し不可解な状況に陥っていた。
(なまえ)
あなた
なんで奏達はサンタの衣装を着てるの?
小豆沢冬花
小豆沢冬花
クリスマスだからだよ?
(なまえ)
あなた
いや…そうだけど…
宵崎奏
宵崎奏
えっと…似合ってるかな?
奏が少し頬を赤らめながら、僕に対して問いかける。
(なまえ)
あなた
似合ってるよ
(なまえ)
あなた
すごくかわいい
宵崎奏
宵崎奏
…ありがとう
奏が満面の笑顔になる。その笑顔こそが1番かわいいのだが。
蒼はというと。サンタのコスプレをした水夏に迫られている。
青柳水夏
青柳水夏
ねえねえ蒼くん!
青柳水夏
青柳水夏
どう?似合ってる?
明月蒼
明月蒼
うん…似合ってるよ…
青柳水夏
青柳水夏
そう?やったー!
相変わらず、押されているようだ。本当に、蒼は水夏に対して弱い。他の人間からであれば、何をされてもそこまで動じないのだが、水夏相手になった瞬間に弱くなる。おそらく、いつものような思考ができていないのだろう。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
あなたの下の名前さん
(なまえ)
あなた
何?
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
私は、どう?
(なまえ)
あなた
まふゆさんも似合ってるよ
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
そう…
まふゆさんは鏡の前でくるくる回り、自分の衣装を確認する。崩れていないかなどを確認しているのだろう。
小豆沢冬花
小豆沢冬花
それで、私はどう?
(なまえ)
あなた
似合ってるよ
小豆沢冬花
小豆沢冬花
ありがとう
素直に褒め言葉だ。実際、冬花のコスプレはすごい。僕はコスプレがどういうものなのか理解しているわけでは無いので、いろいろ言うことはできない。でも、似合っているのはたしかだ。
小豆沢冬花
小豆沢冬花
じゃあ、何かプレゼントちょうだい
(なまえ)
あなた
はい
僕はサンタの衣装が入っていた段ボール箱を折り畳んだものを冬花に渡す。
(なまえ)
あなた
玄関に置いといて
小豆沢冬花
小豆沢冬花
…むぅ
冬花はそれを受け取り、玄関へ向かう。大変不服そうな表情だった。
僕達はその後、衣装を片付けて、昼ご飯を食べた。料理は水夏と冬花で行った。やはり、この2人は料理がダントツで上手い。
宵崎奏
宵崎奏
美味しい…
このように、奏にも好評のようだ。
ご飯を食べ終わった僕達は、それぞれでゆっくり過ごしていた。冬花は午後からは実家に戻るらしく、先に帰った。妹にクリスマスのプレゼントでもするのだろう。また、蒼と水夏も自分達の家へと帰った。そして、僕と奏は今日の夜のご飯の為に買い物に出かけていた。
(なまえ)
あなた
クリスマスかぁ…
宵崎奏
宵崎奏
どうしたの?
僕は歩きながら呟いた。その場には奏も一緒にいたため、奏が反応する。
(なまえ)
あなた
今までなら、何の関係も無かったようなイベントだからね…
宵崎奏
宵崎奏
たしかに…そうだね
宵崎奏
宵崎奏
私達は、ずっと家にいることが多かったし
(なまえ)
あなた
そうだね…
少し、沈黙の時間が続く。
(なまえ)
あなた
…奏
宵崎奏
宵崎奏
何?
(なまえ)
あなた
何か、欲しいものはある?
宵崎奏
宵崎奏
欲しいもの…
(なまえ)
あなた
うん。なんでもいいよ
せっかく買い物に来ているのだ。何か欲しいものがあれば買ってあげたい。お金なら、みんなの活動のおかげでたくさんあるため、大丈夫だ。
宵崎奏
宵崎奏
あ、そういえば、キーボードが古くなってきたからそれを買い替えたいかな
(なまえ)
あなた
奏はそれでいいの?
宵崎奏
宵崎奏
うん…それに、一番欲しいのはもう手に入ってるし
奏が僕の手を握る力を強めながら言う。
(なまえ)
あなた
そっか
僕達はキーボードが売ってある場所へと向かった。
奏には、白いキーボードとかなり性能が良いヘッドホンを買ってあげた。奏はかなり長い間作業をするので、性能がいいものを買った。値段が高いため奏は遠慮していたようだが、僕から頼みこんで買った。せっかくのクリスマスだ。まふゆさんにもキーボードを買った。どのようなものが好きなのかはわからないが、無いより良いだろう。少しくらい高くても気にはしない。それに、元は奏が作った曲からきているのだ。使い惜しむことはできない。
宵崎奏
宵崎奏
ありがとう…
(なまえ)
あなた
どういたしまして
(なまえ)
あなた
他に何か買っておきたいものとかはある?
宵崎奏
宵崎奏
いや…私は大丈夫だよ
宵崎奏
宵崎奏
兄さんは?
(なまえ)
あなた
僕も大丈夫だね
そういえば、今日はイルミネーションが飾られている場所があるらしい。
家に帰ったら、まふゆさんも誘って見に行くとしよう。
そして、僕と奏は家へと足を進めた。
(なまえ)
あなた
ただいまー
宵崎奏
宵崎奏
ただいま…
僕達は家に着き、リビングへと戻った。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
…おかえり
まふゆさんはリビングでくつろいでいた。何も持っていないため、本当にくつろいでいるだけのようだ。僕だったら暇で仕方がないだろう…。まあ、隣に奏がいてくれるのであれば別ではあるが。
(なまえ)
あなた
2人とも、この後は暇?
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
何かあるの?
(なまえ)
あなた
イルミネーションがあってるらしいから、3人で行ってみたいと思って
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
私は…奏が行くなら
宵崎奏
宵崎奏
私は兄さんが行きたいって言うなら行こうかな
(なまえ)
あなた
ありがとう、2人とも
(なまえ)
あなた
じゃあ、行く準備しようか
僕と奏はさっき帰って来たばっかりだ。そのため、何もすることはなかった。まふゆさんを玄関で待つ。まふゆさんが来たら、すぐに行けるように。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
綺麗…
僕達はイルミネーションがあっている場所に来ていた。しかし、本当に綺麗だ。自然とはまた違った美しさがある。
宵崎奏
宵崎奏
すごいな…こんなに綺麗なんだ…
雪だるまやクリスマスツリーなど、様々なものの形があり、見ていてとても面白い。中には点滅するタイプのものもあるようだ。
(なまえ)
あなた
本当に綺麗だね
寒さも忘れるほどだ。
宵崎奏
宵崎奏
奏が僕の手をそっと握る。
(なまえ)
あなた
どうしたの?
宵崎奏
宵崎奏
ちょっと冷えてきたから…
たしかに厚着はしているが、寒いのは事実だ。僕は奏の手を握り返す。すると、反対の手にも何かが触れる感覚があった。
(なまえ)
あなた
…まふゆさん?
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
私も…寒い
僕は少し戸惑い、奏の方を見る。すると無言で、笑顔で頷いていた。そして、僕はまふゆさんの手も握る。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
…あたたかい
(なまえ)
あなた
そう?
(なまえ)
あなた
…寒いならそろそら帰ろっか
宵崎奏
宵崎奏
そうだね…
宵崎奏
宵崎奏
思ってたより人も多いし
僕達はそのまま3人で仲良く手を繋いで家まで帰った。そういえば、最近はまふゆさんが妹のように見えてきた。毎日同じ家にいるからなのだろうか?
僕達は家に帰ってから、夜ご飯を食べていた。今日の夜ご飯は外で買ってきた。
(なまえ)
あなた
おいしい?
宵崎奏
宵崎奏
うん
(なまえ)
あなた
なら良かった
僕もその料理を食べる。たしかに美味しい。でも、水夏や冬花が作る料理の方が美味しいかもしれない。
宵崎奏
宵崎奏
奏が僕とまふゆさんをジーッと見つめる。
(なまえ)
あなた
何かあるの?
宵崎奏
宵崎奏
えっと…改めて見たら、2人とも似てるなって
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
似てる…?
宵崎奏
宵崎奏
うん
宵崎奏
宵崎奏
なんとなくなんだけど、顔立ちとか雰囲気が似てるなって思った
僕はまふゆさんを見つめる。
たしかに、似てはいるかもしれない。でも、僕自身はまふゆさんほど整った顔をしているわけじゃないと思っている。「似ている」部分もあるだろうが、「違う」ところもしっかりあるだろう。まあ、別人なのだから当然だ。
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
まふゆさんも僕を見つめている。同じようなことを思っているのだろうか?それとも、また別のことだろうか?
朝比奈まふゆ
朝比奈まふゆ
…?
いや、よくわからなかったようだ。
夜ご飯を食べ終え、お風呂を済ませ、それぞれの部屋に戻ってくつろいでいた。まあ、僕は「くつろいでいた」と言っても、ベッドに寝転がっている状態だ。
宵崎奏
宵崎奏
ふぅ…
作業をしていた奏がため息をつく。
(なまえ)
あなた
作業は終わった?
宵崎奏
宵崎奏
うん…まだ起きてたんだ
(なまえ)
あなた
まあね
(なまえ)
あなた
クリスマスだから
宵崎奏
宵崎奏
…そっか
奏もベッドに入る。もう、これが日常になっていた。だいたい4ヶ月くらいだろうか?今では奏もかなり慣れたようだ。
宵崎奏
宵崎奏
兄さんは…何か欲しいものとかはあるの?
(なまえ)
あなた
今はないかな…
(なまえ)
あなた
もう「全部」手に入ってるし
宵崎奏
宵崎奏
全部…?
(なまえ)
あなた
うん
そうだ。奏との幸せな生活。親友の幸福。自分の家。仕事上でのいろんな人との繋がり。様々なものが手に入っている。強いて言うならば、「お父さん」だろう。まあ、奏の重荷になってほしくはないため、口にすることは無いだろうが。
(なまえ)
あなた
奏がいてくれるだけで、僕は最高に幸せなんだよ?
(なまえ)
あなた
それ以上を望む必要がないくらいにね
宵崎奏
宵崎奏
…そうなんだ
それにしても、ベッドで寝転がっているからだろうか?とても眠くなって来た。
私が欲しいもの…今日、兄さんに聞かれてからずっと考えていた。私が欲しいものって何なんだろう…?私が兄さんに対して願っていること…。
宵崎奏
宵崎奏
私は…兄さんと、「恋人らしいこと」をしてみたいのかもしれない。兄さんは、私のことを大切にしてくれる。でも、大切に「しすぎている」ところもある。
恋人になってから、まだ「恋人らしいこと」をしたことがほとんどない。兄さんが気遣っているのかわからないけど、「キス」すらもしたことがない。それなら、私の願いは…
宵崎奏
宵崎奏
兄さん…
…返事がない。寝てしまったのかもしれない。
この気持ちは…また明日伝えてみようかな。別にクリスマスじゃなくてもできる。
そう思い、私も目を閉じた。

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