第6話

夏祭り
5
2025/08/28 10:42 更新
晴琥
一緒に夏祭り行かない?
夏祭り?
そうか、もうそんな時期か。
晴琥
こういうのって誰かに誘われないとなかなか行かないじゃん?
たしかにここ数年行ってないな…

正直乗り気ではない。でも晴琥のキラキラした目を見ると断れそうもない。

それに、『気持ちの区切り』をつけるためには行くべきだとすら思えた。
わかった。行こうか。
夏祭り
昔と変わってないな…


夏祭りは毎年、横に湖のある公園で行われていた。
小さな子供たちが走り回っている。
晴琥
ねえ、屋台みよ!!
ああ
晴琥
僕、りんご飴食べたい!!
おれが買う前提かよ…

2人分のりんご飴を買い、食べながら歩く。
懐かしいなあ


、、、じゃん!!

、、な、、だよ?、、、、!!

ん?やけに野外ステージのほうが騒がしいな…
晴琥
行ってみる?



ガヤガヤ




友人たち
どーすんだよこれ!
友人たち
仕方ないだろ
友人たち
え、でもこの時間どうするの?
お前らだったのか
友人たち
律!?
どうしたの
友人たち
実は、うちの学校の軽音部がステージで演奏をする予定だったんだけど、ボーカルのやつが熱中症になっちゃってさ
友人たち
やっぱ中止にするしか…
友人たち
楽器演奏だけはだめなの?
友人たち
どうすんだよ…!!
晴琥
あのさ、
晴琥
律が歌えばいいんじゃない?
お前急に何言ってんだよ!?
友人たち
その手があったか!
友人たち
律って歌うまいの?
友人たち
カラオケで聴いたことあるけど、めっちゃ良かったよ!
いつの話だよ…
友人たち
お願いだ!!みんなめっちゃ練習頑張ってきたんだ!
いや、でも、
晴琥
きっと大丈夫だよ
いやいや、
おれ練習だってしてないし
友人たち
律がミスっても俺らでカバーするから!!
友人たち
お願いします!!
あーもう!!


勝手に話し進めやがって。めちゃくちゃじゃないか。


だけど不思議と今日は歌える気がしてきた。


誰かが背中を押してくれているような…。

今度なんか奢れよ…
友人たち
よっしゃあ!!
友人たち
ありがとう!
友人たち
もう時間がない!!行こう!!
ああ

舞台裏に集まる。


歌うとは言ったものの緊張してきたな…
晴琥
大丈夫?
誰のせいだと思ってんだよ…
晴琥
ごめん笑
晴琥
でも、律がずっと歌いたそうな顔してたから。
え?
おれが?
晴琥
うん
晴琥
まあ、せっかくだから楽しんできてよ
…そうだな

ただ、楽しめばいい。

じゃ、行ってくる



♪♪♪ ♪♪♪




俺たちの歌が響いている。こんなふうに歌うのは何年振りだろうか。

友人たち
…ありがとうございました!!


演奏が終わり、歓声に包まれながら舞台裏に戻った。
友人たち
やったね!
友人たち
大成功だったな!!
友人たち
本当にありがとう!律!!
友人たち
…え!?

全員がこちらを見てギョッとする。それで俺は自分が泣いているのだと気がついた。

あ、ごめ、、っ
友人たち
どうした、?
晴琥
律。
晴琥
おいで
ん、、
俺は晴琥のほうに倒れ込んだ。
晴琥
ちょっと向こうのベンチで休ませてきます。
友人たち
お、おう

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