~ et side
シャッ、と音を立ててカーテンを勢いよく開ける。
うん。いい天気。
のびをして、息を吐きだす。
絶好の、お散歩日和。
お気に入りの服を着て、上着を羽織って、靴を履く。
ゆっくり、ゆったり。
だけど少しそわそわと、準備をして外に出る。
桜の開花時期になると、私は毎日桜を見に行く。
それは、なんとなく。
習慣のように、行っている。
誰かに会う為とか、そういう訳じゃない。
いつかの散歩から、それは始まった。
その日はよく晴れていて、今日みたいにお日様が気持ちよかった。
どうせ暇な春休み半ば。
野良猫を眺めたり、空を見上げてみたり、川のせせらぎに耳を傾けたり…
なんて、散歩をした日。
すごく綺麗で、大きな大きな桜の木を見つけた。
うっとりと、小さな子供のように、ずっと眺めていた。
second.「昔の記憶」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。