えむと寧々は、神山高校を探索していた。
しかし司は、どこにもいなかった。
教室。
廊下。
中庭。
昼休みが終わっても、
司の姿は見つからない。
えむが、落ち着かない様子で言う。
寧々は、短く答えた。
騒がしい教室の前で、
一人だけ座っている人がいた。
冬弥だった。
机に両肘をついて、
ぼんやりと前を見ている。
寧々が、少しだけ声を落として話しかける。
冬弥は、ゆっくりと顔を上げた。
目に、光がなかった。
機械みたいな声。
えむの胸が、嫌な音を立てた。
冬弥は、首を振る。
それ以上、何も言わなかった。
寧々は、確信した。
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放課後。
二人は、フェニランへ向かった。
えむは、そう言いながら、
どこかで答えを知っている。
でも_____
司はいなかった。
いつもの場所も。
控室も。
ワンダーステージも。
どこにも。
寧々の声が震える。
セカイにも、行けない。
昨日と同じ。
”untitled”は、反応しない。
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司の家。
玄関で出てきたのは、咲希だった。
咲希は、首を傾げた。
胸が、ぎゅっと締め付けられる。
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帰り道。
二人は、しばらく黙って歩いた。
立ち止まる。
そして、寧々は顔を上げた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。