昨日はフョードル君とメロンフェアに行った。
その時にクレーンゲームで取ったチャームは勉強机に飾っておいた。
何事もなくただ時間が過ぎていく。
めんどくさいなぁ…と思いながらも席を立つ。
ふと、女子トイレへ向かう。
何事もなくただ、それだけの事だった。
女子トイレから3人の声が聞こえる。
うわぁ…トイレ入りづらいなぁ
ここは理科室前のトイレだから人が通ることはほとんどない。
だからずっとここで待ってるのもバレないからいいんだけど…
…え?
え、ちょっとまって…
昨日、ドスくん、デート…?
見た?見たって…え?
いや、まさか
…え?
私は頭を抱えてその場に座り込むしか出来なかった。
誰が話してるのか分からないけど、1人は明確。気づきたくなかった。知りたくなかった。
裏であんな事が言われてたなんて。
友達も居ない私に情報が回ってくるはずも無い。自分がしてしまったことが深く刺さる。
痛い。しんどい。あぁもう泣きたい、死にたい、消えたい、帰りたい。
いろんな感情がぐちゃぐちゃになって吐きそう。あんなに浮かれてた自分を殺したくなる。
友達だと思ってた人に裏切られてしまった、正確には自分が裏切ったんだけど。
知らなかった、フョードル君と光花が付き合ってるなんて、フョードル君も教えてくれなかった。
空気を読まずにチャイムが鳴る。
仕方ない、授業は受けなきゃ…
女子トイレから聞こえてくる笑い声が聞きたくなくて必死に耳を塞ぎ、逃げるように走り去った。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。