第27話

22、楽しいひと時を
955
2025/12/09 21:41 更新
あなた
早く早く…
日曜日だから…と昨日は夜ふかししすぎて
案の定、フョードル君との予定に遅れそうになる。絶対に送れないように、とタイマーを何個もかけた意味が無くなってしまった。

身だしなみを整え、近くにあった帽子とカバンを持って急いで駅へ向かう。
あなた
はぁ、はぁ…
フョードル・ドストエフスキー
おや、走ってきたんですね
あなた
ご、こめんね。待ったよね…
フョードル・ドストエフスキー
今来たところですよ
フョードル・ドストエフスキー
それにしても、とても可愛い洋服ですね。お似合いですよ
走ってきたせいで乱れた髪の毛をそっと耳にかけてくれた。
あなた
あ、ありがとう…ございます
フョードル・ドストエフスキー
そんなに緊張しなくてもいいですよ
フョードル・ドストエフスキー
今からあなたの大好物を食べに行きますからね
あなた
…うん!
そう、今から行くのはあのメロンフェアをやっているお店。『14、補習授業』にて
1人では行けないと思い諦めかけていた時、フョードル君が誘ってくれた。
フョードル・ドストエフスキー
最近は授業中寝ずに頑張ってるみたいですね
あなた
あはは…
最近は色々と考え事が多くて寝れない、とは言えないな…
まぁ、授業の内容は聞いてないのがバレなきゃいいか。


駅近くの通りを歩いていくと見えてきたメロンフェアをしている綺麗なお店。
お店の前にある看板を見ると美味しそうなケーキなどの写真が沢山貼ってある。
フョードル・ドストエフスキー
ここですね…
あなた
何回見ても美味しそ…
フョードル・ドストエフスキー
僕たちも今から食べるんですよ
あなた
へへ、ありがとね。誘ってくれて
フョードル・ドストエフスキー
僕も少し気になっていたんです
「お互い様ですね」といい、フョードル君はクスッと笑う。
お店の扉をカランと開けるといい匂いがする。幸せ。
店員さん
2名様ですね。こちらの席にお座り下さい。ごゆっくりどうぞ
店員さんも綺麗な人が沢山。やっぱり私なんかが来ちゃ行けない空間だったなぁ…
フョードル・ドストエフスキー
どれも美味しそうですね。どれにしましょうか…
フョードルくんの不思議な雰囲気がお店とマッチしてて、とても綺麗。
程よい音量のクラシックが流れ、所々からティーカップがカランと軽快な音を鳴らす。
お客さん達の笑い声が聞こえる…
フョードル・ドストエフスキー
あなたの下の名前さん…あなたの下の名前さん?
あなた
あっ
ついぼーっとしてしまった。
フョードル・ドストエフスキー
そんなに僕の顔を見つめないでください。何か付いてますか?
あなた
あ、いや、何も…
ごめんなさい、不快だよね。
私なんかにじっと見つめられてたら…
無意識だった。
フョードル・ドストエフスキー
見てくださいあなたの下の名前さん。どれも美味しそうですよ
フョードル・ドストエフスキー
何にしますか?
メニューをこちらに向けてくれる。でも私は前からずっと決めていたものがある…
あなた
タ、タルト…
フョードル・ドストエフスキー
タルト…あぁ、これですか。これも良いですね
フョードル・ドストエフスキー
じゃあ僕はプリンにしましょうか…
そう言ってサラッと注文してくれた。
あなた
今日のフョードル君、制服じゃないからいつもと雰囲気が違うね
あなた
すごいかっこいいと思い…思います…
パッと思いついた言葉を発してみたら、言ってるうちに恥ずかしくなってきた。
フョードル君はクスッと笑って「ありがとうございます」と言った。
あなた
っな、笑わないでよ…
フョードル・ドストエフスキー
スイーツを食べた後、どこか行きたい所はありますか?
あなた
あ、特に決めてなかったかも…
フョードル・ドストエフスキー
なら、近くのショッピングセンターでも行きますか
あなた
いいかも
店員さん
お待たせしました
そうやって話をしているうちに、注文したプリンとタルトが届いた。
あなた
わぁ…
メニューで見たよりもキラキラして見えた。
あなた
た、食べても…良いのかな?
フョードル・ドストエフスキー
あなたが頼んだものでしょう?
またフョードル君はクスクスと笑う。今日は良く笑うんだな〜と思いながらまずはひとくち。
あなた
ん!
フョードル・ドストエフスキー
美味しいですか?
頭を縦に振り肯定する。フョードル君もプリンを口に入れる。
フョードル・ドストエフスキー
ほんとだ、こちらも美味しいですね
フョードル・ドストエフスキー
…あなたの下の名前さん
あなた
ん?
フョードル・ドストエフスキー
そのタルト、僕にも一口くれませんか?
あなた
え、あぁいいよ
フョードル君の方へ皿を近づける。
フョードル・ドストエフスキー
おや、食べさせてくれないんですね
あなた
え?あ、そ、そうなの?
フョードル・ドストエフスキー
てっきり、して貰えるのだと…
フョードル君は少し寂しそうな顔をする。
悲しませる訳にはいかないので慌ててタルトに切り込みを入れる。
あなた
あぁぁ、わ、わかった…
あなた
は、はい…
片方の横髪を耳にかけ、整ったフョードル君の顔が私の手に近づいてくる。
フョードル・ドストエフスキー
美味しいですね。僕のプリンもあげましょうか
あなた
あ、え?
フョードル・ドストエフスキー
口を開けてください
あなた
い、いやいや…自分で食べれるよ…
フョードル・ドストエフスキー
口、開けてください?
あなた
ぅ、はい…
私の答えも聞かずにプリンをすくい、口を開けるよう圧をかけられる。
私なんかがフョードル君になんて抗えるはずがなく、
言われた通りに口を開けるとスプーンにのったプリンが口に入っていく。
あなた
あ、美味しい…
フョードル・ドストエフスキー
ですよね
ガシャーン
あなた
!?
フョードル・ドストエフスキー
おや?
突然、どこからかお皿が落ちる音がした。
店員さん
お客様、大丈夫ですか?
お客さん
 は、はい…大丈夫、です…
店員さん
 お怪我はございませんか?お皿はそのままで大丈夫ですよ
お客さん
 すみません…
お客さんは結構若い人で私達と同じくらいだと思う。
少し背が高くて、可愛く髪を巻いていた。

そのお客さんはすぐにお会計をして店を出て行った。
あなた
 可哀想…
フョードル・ドストエフスキー
フョードル・ドストエフスキー
あなたの下の名前さん、もう少し食べますか?
あなた
……もう少し、食べたい
フョードル・ドストエフスキー
ふふっ、沢山食べてくださいね
フョードル君と一緒に、追加で2つも注文してしまった。

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