あっという間に放課後に。
昨日、中原さんに借りた服を返さないといけない。
そのまま家に行っても良いのかな。
連絡先は持ってないし、家に行っても中原さんがいるのかもわかんない…
でも家に行く以外の選択肢が見つからない。
ピンポーン
…って、ここは中原さんの家なんだって。ここにいる人全員中原さんだから…
後ろから声をかけられ、反射で振り返ると中原さんがいた。
中原さんが黙っちゃったから「早く帰れ」の合図だと思い、頭を下げてそのまま帰ろうとした。
中原さんは私の肩に手を置き圧がある声で言う。
え?な、なななんですかねこれ。
まさか、何かやらかしたかな?
え?どう言う事?目が怖い。
私一体何されるの…
こ、ここは従順にしないと、殺される…!
そう言って後ろも振り返らずに、勢いよく玄関へと一歩を踏み出した。すぐさま後ろでガチャンと扉が閉まり「はぁ…」とため息が聞こえた。
私なんかをつけ回したって何も無いのに…
いや、もしかしてつけられてるのは私じゃなくて中原さんじゃない?
か、勘違いしちゃった?
無理、恥ずかしい…
丸いローテーブルにぽつんとふたりで座る。どちらも話さないからなんとなく気まづい雰囲気が流れる。
絶えられなくなったのでカバンを開けて何かないか探す。
宿題を見つけた。
あれ、同じ冊子が2つも入ってる。裏返して名前を見る。
な、なんでフョードルくんの宿題が私の鞄に!?
重なってたとか、間違えて配られた?
それじゃあフョードルくんは宿題できないんじゃ…
宿題範囲をペラペラとめくると丁寧な字で回答が書かれている。丸つけまで終わっていて全てに赤い丸が付いていた。
そう言ってペンを持って宿題と向き合う。が、何も分からない。今日の授業中ではわかってたのに…
中原さんに馬鹿なのバレたくなかったなぁ…
中原さんと教えて貰いながら頑張った宿題が終わった頃にはもう、外には誰も居なくなっていた。
その日は何事もなく家に帰れた。
やっぱり中原さんの事をつけてたんだ。勘違いしなくて良かった〜。
久しぶりの更新なのに短くてすみません💦
お詫びといってはなんですが次回予告ドスくんとデートです













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。