第9話

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2026/04/10 06:46 更新
TAKUTO side


最初に気づいたのは、

声だった。


『ねぇ、聞いてよ今日さ……』

小さくて、少し疲れた声。

どこから聞こえてるのか分からないのに、

やけに、はっきり届いてくる。


『もう無理なんだけど』


……キレ気味じゃん!

思わず、苦笑した。


そしたら、疲れきった女の人が

ぬいぐるみ抱いて寝ちゃってる映像が

頭に浮かんできて……
TAKUTO
TAKUTO
頑張ってるじゃん


……自然と声に出る。

届くはずないのに。

それでも、

なぜか放っておけなかった。



꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱



気づいたら、そこにいた。

見慣れない部屋。

見慣れない天井。

でも、

腕の中には、確かな温度。

TAKUTO
TAKUTO
……え?


自分でも、意味が分からなかった。

ただひとつ分かったのは、

さっきまで聞こえてた声の主が

目の前にいるってこと。

TAKUTO
TAKUTO
……起きた?


そう声をかけた瞬間、

驚いた顔をする彼女。

その反応が、少しだけおかしくて。

でも、どこか安心した。

ちゃんと、ここにいるって分かって。




꒰ঌ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈໒꒱



『……会いたいな』

呟く声が、またどこからか聞こえた。

その瞬間

気づいたら、そこにいた。

最初は、夢だったのかな?と思ってた。

映画じゃないんだし

絶対有り得ない状況だし……。


でも違った。

夜になると、また声が聞こえる。

また、会える。



そして

少しずつ

あなたの事を知っていく……



TAKUTO
TAKUTO
来たよ?


自分でも、理由は分からない。

でも、呼ばれてる気がした。



近くにいると、全部分かる。


強がってることも。

無理してることも。

寂しいことも。



……分かりやすいな


思わず笑ってしまうくらいに。



でも、一番困るのは

無防備な顔でこっちを見る時。

TAKUTO
TAKUTO
それ、反則……

つい、口に出る。

距離を詰めたくなる。

触れたくなる。

離したくなくなる。



本当は、最初から分かってた。

これは、普通じゃない。

ずっと続くものでもない。



それでも……

やめる理由にはならなかった。




触れた夜。

全部が、決定的になった。


TAKUTO
TAKUTO
ほんとにいいの?


最後に聞いたのは、

たぶん、自分のため。

止まる理由が欲しかった。

でも

『いいよ』

そう言われた瞬間……

もう無理だった。


TAKUTO
TAKUTO
離したくない……

そっと呟いて抱きしめた。

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