ゼルバジアは、中世ヨーロッパみたいな街並みだった。
まぁ、いうてベラノスもそうだけど、ゼルバジアは本当に赤い屋根ばっかりだ。
おとぎ話に出てきそう…
小人とかがいっぱい住んでそう…
すると、斜め下の方に空中に浮いている長方形の建物が見えた。
え。
あ、確かに屋上みたいなとこに小さいランプが灯ってるけど。
…まさか、練習場って、そこ?
予想を超えてきた…
まさか空中だとは思わないじゃん…
通学辛そう……
怯えるルアに、イオリが答える。
嘘でしょ、魔法の石探す前に死ぬとか…
まずは、ウランさんがお手本を見せると言って先に一人で着陸しに行った。
軽々と、鮮やかだった。
でも、本当に自分がやろうとすると難しいんだろうな……
そう思っていると、ルアが飛び出した。
一瞬自分が死ぬかと思った。
まぁ、自分でバランス取れなくてずり落ちそうになったのもあるけど…
ルアが自ら死にに行ったのかと思った……
ルアは、どんどん下に降りていく。
あ、でも降りすぎた。
ちょっとその場で立ち止まって、ルアには珍しい慎重な動きで微調整をしていく。
そして、そうっと屋上に乗った。
あ、ガッツポーズしてる。
と、そんな感じで私たちは皆屋上に着陸。
皆慎重だった。
屋上の馬小屋に天馬たちを入れて、私たちは階段で下の階に降りていく。
ウランさんの説明タイムが始まった。
会議室…?
ベラノスの練習場には無かったような…?
ちょうど、重たそうな扉に、高価そうな鍵がかけてある部屋に着いた。
ウランさんはそう言いながら、ポケットから鍵を取り出して、鍵穴の中に突っ込んだ。
ガチャリと扉が開き、中に光が差し込んだ。
そこには、深みのある木製の椅子と机、そしてその大きな机の上にはベラノの地図、そしてその周りの地図さえもあった。
ホワイトボードの上にはアサガの地図もある。
イオリの言葉に私は頷いた。
本当にそうだ。
作戦立てる場所じゃん…
その時、ふと疑問が頭の中に浮かんだ。
わざわざ下に降りなきゃいけないのか…
危ない人が来たらめっちゃ危ないじゃん。
へ、へえ…
びっくりするだろうな…
そう思いながら、鉄の階段を降りていく。


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!