なんでもない日曜日に、轟くんの買い物に付き合っていた。降り頻る雨に遭ったので、僕たちはカフェで時間を潰すことにした。
こんな小洒落たカフェ、普段は来れないけど…
注文を決めてベルを鳴らす。
小規模でひっそり経営しているらしく、静かな女性と、高校生くらいの女の子がカウンターでのんびりとしている。
気だるげにみえるが、バイトらしく黒髪をうしろで一つにまとめている。そんな店員さんは僕らのもとにやってきて、片手にお盆、片手にメモを抱えて問いかけた。
声をあげたと思えば、轟くんのソファ席の隣に座り込んで、とても近い距離で顔を見つめてそう言った。目を輝かせている彼女と対照に、僕や店長さんは驚いて声も出ない。
えぇっと、知り合い…だろうか、轟くんは驚いてるけど…
どうやら小学校の途中で引っ越してしまった女の子らしく、あの轟くんがかなりしっかり覚えているということは、おそらく親密であったのだろう。
にこりと微笑んでお盆を胸の前で握った。
笑った顔、かわいい…じゃなくて…!
にこにこしてて楽しそうだ、このバイトが好きらしい。そのまま轟くんの隣から立ち上がり、注文をとってくれた。彼女が席を離れる頃には、黒い雲の隙間から光が滲んでいた。
カフェの前の花壇には、淡い桃色のダリアがぽつりぽつりと咲いていて、雫を落としていた。
(突然更新停止してしまって申し訳ないです
ゆったり再熱してしたので、以前の短編の一部をモチーフにして書きなおそうと思います☘️ 拙い文章ですがご容赦ください)












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。