リイヌside
、え、なにあれなにあれ。
なにあの気配。
今まで感じたことがない。
冷や汗がでる。全身が警報を鳴らしている。
逃げたい、逃げないと、痛いのは嫌だ、死ぬのは怖い、でも、でも、逃げたら、フィンくんが…………
……………、あれ、?
原作でこんな事、あったっけ、?
珍しく真剣な顔でいう師匠に戸惑いながらも固有魔法を使ってあの怪物を解析する。
俺の幽霊関係の魔法は俺も浮遊と透明化が出来る。
それがわかってからは魔物がうじゃうじゃいる森の中で暮らすのも随分楽になったんだよな………。
…………まぁ、触れるしか方法はない、しな。
"何か" は今も黒い触手のようなものを暴れさせて森の木々をなぎ倒している。
アイツに触れた所は徐々に腐っていき、アイツの周りだけ荒れ地のようになっていた。
…………このままじゃフィンくんだけじゃなく、この森も森に住む動物達も危ないのは確実だ。
そして、俺は腐っても獣人。一応動物達の長だ。
だから、動物達は絶対に守らなければいけない。
そうして俺は気配を消して自分に透明化魔法をかけ真っ黒な"何か"に向かって全速力で走っていく。
そして触手のようなものを避けつつ近づく。
いっけぇ!!!!
"解析鑑定"
手に神経を集中させて黒い"何か"に一瞬だけ触れ、どんな影響があるのか分からないのですぐに離れる
近くに行き一瞬でも触れることが出来たお陰で、解析はあと十数秒で終わりそうなので解析に集中する
すると"何か"は触れられた事に気がついたのか知らないが大暴れしだす。
森の木々はバタバタと倒れていき、青々しい草花達は一瞬で枯れ果て死んでしまう。
エレスさんとアダムさんが俺をフィンくんの元に連れていき、黒い"何か"から守ってくれている。
が、それも長くは続かないだろう。
早く、早くしなければ。
フィンくんも早く治療をしなければ危ない。
あと少しなんだ、あと、もう少し…………っ
………………解析、完了
エレスさんが固有魔法を何度も連発し、アダムさんは悪霊の塊に攻撃をして引きつけてくれている。
俺は杖を取り出して杖に魔力を注ぎながら悪霊の塊を隙を見逃さないようにじっと見つめる。
………………魔力は、これくらいかな。
するとアダムさんに攻撃をしようとした瞬間にほんの少し隙が見えた。
それが、例え0.1秒だったとしても。その一瞬の隙を見逃すほど、俺は遅くなんてない。
ギャ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ッ"ッ"ッ"ッ"!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺が魔法を放つと、悪霊の塊は叫び、
残ったのは取り込まれていた人間と、なんとか除霊されず浄化だけされた霊が3体、残っていた。
行方不明になっていた神覚者、無敵の神杖の
アティーラ・ジェルシェット じゃね???














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。