朝。






今日も俺は、好きな人に会いに行く。

こうやって、怒っているあなたも可愛かった。



様々な感情を出すあなたは、俺の心を激しく揺らす。



しかし俺は、あなたの前では恋愛感情を見せない。そういう役を、演じ続けるしかない。

まぁ、そういうところも可愛いけど。

2人で歩く道は、ランウェイのように見えた。



まるで、神様が俺のために用意してくれたように。



このまま、『あなたと結ばれる』というハッピーエンドまで用意してくれたらいいのに。

学校に行くと、女子たちが瞬時に俺たちの方を向く。そして叫ぶ。




俺は迷惑としか思ってない。多分あなたも迷惑と思っているだろう。







でも、安心して？いつかあの女子たちを黙らせるように頑張るからさ。



そんな事、あなた相手に口に出して言えるわけがない。



そんなタイミングが、いつかきっと来る。


俺は、高嶺の花を演じ、終わったらいつものキャラに戻る。

あなた、ほんとにごめんな。



こんなキャラ、作らなきゃ良かったんだ。

はぁ、俺のあなた睨むとか最低すぎる。









いつか地獄に堕とすわ。

そうして、怒りが冷めないまま、下駄箱に到着した。

靴を取り出すと、手紙が何通も出てくる。



まぁ全部ラブレター。


手紙が届く日は俺の家であなたと一緒にチェックしている。


チェックしてくれるのは嬉しいけど、ちょっと悲しい。

こんな手紙を見続けると、苦しくなるんじゃないかと思う。

でも、もう慣れたもんか。




この中にあなたからの手紙があるんじゃないかと思っているが、絶対ない。

お前も実はモテてるんだ、、、






道枝駿佑と高橋恭平というやつに、、、

　　　




ただいまあなたにからかわれてる。




まぁでも、あなたの気持ちが分かるからいっか。










あ、そういえば。

ごめんなあなた、　　　



俺先生に呼び出されてたんだ。

ぜってぇー秒で終わらせてやる！！！

そう思いながら、俺は走ってはいけない廊下を走った。

そして、用は済んだ。



内容は、委員の募集についてだった。


先生から参加してくれと頼まれたが、あなたといる時間を少しでも長くしたいため、拒否した。


先生は、落ち込んでいた。
　



その顔を見て少し寂しくなったが、俺はあなたを追いかけようと、職員室を去り、また走った。

しかし、あなたを見つけることが出来なかった。


教室にも行ったが、あなたの影はない。

俺は、長い廊下を走り続け、外通路に着いた。




ここにあなたがいなければ、学校から出たのと同然。
　




俺は、外通路の中であなたを全力で探した。

人はちらほらいたが、もうそんなことどうでも良かった。



あなたを探し出すことしか、頭になかった。

そして、走り疲れて体の限界が来た時、あなたを見つけた。


そこは、あまり人気がない場所だった。






しかし、あなただけじゃなかった。




あなたのそばには、恭平がいた。

思考を巡らせている時、俺は見てしまった。













恭平が、俺が一番嫌いな人が、　











俺の方向を見ながら、好きな人にキスしていたことを。