第9話

重ねた嘘 二
7
2026/01/30 13:40 更新
カランカラン
マスター
いらっしゃい
坂口安吾
どうも
弦巻響
こんばんは
坂口安吾
あぁ、こんばんは
坂口安吾
マスター、この方は?
マスター
アルバイトの様なものですよ。
歌が上手なんです
坂口安吾
へぇ
弦巻響
マスター、今日あれの日では?
マスター
あぁ、そうでしたね。
坂口さん、歌はお好きですか?
坂口安吾
えぇ、まぁ、程々に
弦巻響
それでは、お楽しみ下さい
弦巻響
スゥ、まるで御伽の話
終わり迎えた証
長すぎる旅路から
切り出した一節
弦巻響
それはかつてこの地に
影を落とした悪を
討ち取りし勇者との
短い旅の記憶
弦巻響
物語は終わり
勇者は眠りにつく
穏やかな日常を
この地に残して
弦巻響
時の流れは無情に
人を忘れさせる
そこに生きた軌跡も
錆び付いていく
弦巻響
それでも君の
言葉も願いも勇気も
今も確かに私の中で
生きてる
弦巻響
同じ途を選んだ
それだけだったはずなのに
いつの間にかどうして
頬を伝う涙の理由をもっと
坂口安吾
ッ!
弦巻響
知りたいんだ
今更だって
共に歩んだ旅路を辿れば
そこに君はいなくとも
弦巻響
きっと見つけられる
弦巻響
物語は続く
一人の旅へと発つ
立ち寄る街で出会う人の
記憶の中に残る君は
弦巻響
相も変わらずお人好しで
格好つけてばかりだね
あちらこちらに作ったシンボルは
勝ち取った平和の証
坂口安吾
ふっ
弦巻響
それすら
未来でいつか
私が1人にならないように
あの旅を思い出せるように
残された目印
弦巻響
まるで御伽の話
終わり迎えた証
私を変えた出会い
百分の一の旅路
弦巻響
君の勇気をいつか
風がさらって
誰の記憶から消えてしまっても
私が未来に連れて行くから
坂口安吾
ッ!
弦巻響
君の手を取った
あの日全て始まった
くだらなくて
思わずふっと笑ってしまうような
弦巻響
ありふれた時間が今も眩しい
知りたいんだ
今更だって
振り返るとそこにはいつも
優しく微笑みかける
君がいるから
弦巻響
新たな旅の始まりは
君が守り抜いたこの地に
弦巻響
芽吹いた命と共に
パチパチパチパチ
マスター
いい歌ですね
坂口安吾
えぇ、痛いほど真っ直ぐな
綺麗な歌です
弦巻響
ありがとうございます
続きます
それでは👋

プリ小説オーディオドラマ