第53話

板挟み
350
2025/11/08 23:31 更新
夜桜百
…格段に早くなったな
あなた
何がです?
ナイフで切りつけられかけて
後退して避ける
あなた
お義父様には到底敵いませんよ
夜桜百
…その通りだ
?、自画自賛し始めたか?この人
夜桜百
私は…お前たちの父だ
夜桜百
父は…幼い子供を導くために
強くあるべきだ
あなた
夜桜百
お前も…わたしの子供だぞ?
つまり、私では決して
お義父様には勝てない、と言いたいのだろう
あなた
そのような事は、百も承知だ
左手に持っていた傘から、レイピアを引き抜く
あなた
だが、敵わないなりにも反抗は出来る
あなた
娘の反抗期だ。
成長を感じられて
嬉しいだろう?
夜桜百
…そうだな、成長を感じられる…
夜桜百
だからこそ…
あなた
夜桜百
ここで…社会の厳しさを
教えてやらないとな
あなた
!!
格段に早くなった……!!
こいつ、手加減してたな…!?
更に後退しようとして…
あなた
 
不味い…!

後ろが階段で…バランスを崩した…!
しかし…バランスを崩しても…
あなた
ッ、
夜桜百
咄嗟に構えた拳銃で、夜桜百の肩を撃ち抜く
だが…
あなた
……ですよね
風穴が空いたはずのそこは、すぐに塞がり、
一瞬で間合いを詰められる
スパイ協会から、かなり距離が離れた広場
長い階段の上段で、
上手を取られて、まともに対応出来ず
どんどん切り傷が体に増えていく
早くナイフを構えて、
相手の切っ先を受け止めて…!!
夜桜百
ナイフばかり見ていると
他の手口を使われるぞ
あなた
突然、素手で突き飛ばされて、

足を変な方向に挫く
あなた
ッ、クソッ!!
感情を荒らげるな、
今の一言で平常心に戻れ!!
相手は凶一郎様よりも強い。
立ち回れている方が不思議なレベルだ
まぁ、足を捻挫するという
やらかしをした訳だが…
その状態を、太陽様と川下の
話が終わるまで続ければいい話で…!
夜桜百
考え事か?
……あ
夜桜百
あなた
 
避けきれないやつだ
…大丈夫、急所に当たることは避ければ…
時間稼ぎさえすれば…!!
???
おい
あなた
…え
突然、夜桜百の体が糸に絡め取られて…
自身の身体が、何かに受け止められた
夜桜凶一郎
…怪我をする前に撤退しろ、
そう言ったはずだが…?
あなた
き、凶一郎、様…!?
あなた
太陽様たちは…!
夜桜凶一郎
俺だけ抜けてきた。
お前のおかげで、
順調に話が進んでいるぞ
夜桜凶一郎
…それより
あなた
夜桜凶一郎
…傷だらけで…足まで負傷しているな
あなた
…え、いや、これは軽く挫いただけで…
夜桜凶一郎
言い訳無用。甘んじて抱えられていろ
そう言って…
あなた
はっ、!?
突然、片手で抱えあげられた
あなた
ちょ、凶一郎様?!!
夜桜凶一郎
珍しく顔が真っ赤だな
あなた
ッ……!
夜桜凶一郎
……では、父さん
夜桜百
夜桜凶一郎
息子が、婚約者にいい所を
見せる手伝いをしてくれ
…明らかにポーカーフェイスが崩れて、
怒りに染まっている表情をしている凶一郎様
微笑ましいと言いたげに
ニコニコと笑っている夜桜百
あなた
え、何この板挟み……

プリ小説オーディオドラマ