第63話

🧸
462
2023/07/20 08:00 更新







―リノside






リノ
ふう…







部活動が終わって

汗だくの練習着のまま

グラウンド横のベンチに腰掛ける。




19時を回ってもう誰もいないこの場所で

ひとり、オレンジ色に染まった空を見上げている。














2学期が始まった日。




俺たちクラスメイトに告げられたのは

あなたが意識を失って入院しているということ。

先生はただ事実を淡々と述べるだけだったため

余計俺の心は不安と心配でいっぱいになった。









でも、お見舞いには行かなかった。









いや、行けなかった。









夏休み前の俺だったら

何も考えることなく

あなたに会いに行っていたはず。




ただあの日から、

あの遊園地の日から

俺の心のなかでなにかが変わっていった。




単純に勇気が出なかっただけなのかもしれないし

自分が現実に向き合いたくなかったのかもしれない。









でも苦しくて、辛くて。

自分が何もできなかったのが虚しくて。

昔も今も結局

好きな人を守ってあげられないのかなって。














心のなかで絡み合った感情が

どんどん胸を締め付けて

耐えられなくなって

俺の瞳から冷たい涙が一滴溢れた。





























「___リノ!」







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