第4話

『私が、あなたを。』
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2019/06/04 10:20
ど、ど、どういうこと!??
私は頭を抱えながら…目の前にいる生物をじっと目で観察する。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
夢……じゃない?
バケモノ。
キュ〜………
相羽 望結 (アイバ ミユ )
い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!
夢じゃないのなら、話は別だ。

何?現実に何が起こってるのよ!?
トントントンッ!! ))

さっきの悲鳴で誰か来たのかドアを叩く音がする。

そうだ、助けを求めよう。
「ここに謎の生物がいます!」

宇宙人なのかもしれない…!!!
私は急いで玄関へ向かい、ドアノブを開けた。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
助けてください…!
私の言葉にもっと目を開く隣のおばさん。
隣のおばさん
えっ、ど、どうしたの?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
謎の生物が……いるんです…!
理解が追いつかないおばさんを必死に部屋へ引っ張り込む。

そして、ちょっこんと座っているバケモノへ指差す。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
ほら、見てください!
隣のおばさん
え、えっと…
相羽 望結 (アイバ ミユ )
起きたら…いたんです!
落ち着かない私をそっと落ち着かせるのように…隣のおばさんは、両手をあげて「まぁまぁ」と揺らした。
隣のおばさん
熱でもあるのかねぇ?
そう言いながら私のおでこを触ってくる。

しかし、熱はなかったらしくおばさんは眉を寄せる。
隣のおばさん
ストレスでも溜まったのかい?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
い、いや…おばさん見えないんですか?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
このバケモノを…!!
目がおかしいんじゃないか?このおばさんは。

明らかに目の前にいるんだけど…。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
あ、ドッキリとか何とかですか?
テレビとかでよくあるドッキリ?

二人ともして私を騙してるのだろうか?
隣のおばさん
どうやら、疲れたみたいね
おばさんは、優しく微笑む。
隣のおばさん
いいかい?ここにはあなたと私以外…
隣のおばさん
誰もいないわよ?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
……えっ?
今になってようやく理解出来た。
どうやらおかしいのは私の方らしい。


この生物が見えるのは…私だけ?
バケモノ。
キュッ…キュッ?
この変な鳴き声が聞こえるのも私だけ。

目の前にいるおばさんは、本当にバケモノの鳴き声が聞こえない。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
…すいません、疲れていたようです。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
お騒ぎしてすいませんでした。
もう…その以上、何を話しても無理だ。だって…見えてないだもの。
おばさんは、「いえいえ、何かあったら言ってね。」と言い残すとこの部屋から出て行った。

隣の人が優しかったのが救いだ。

その背中を見送り…ドアがだんだん閉まっていくたびに怖くなって来た。


私しか見えない?どうして…私だけなの?
【ドアが閉まる音】
視線を背中に感じながらゆっくりと振り返る。

私より大きいバケモノ。
茶色な瞳で私をじっと見つめる。
ずっと見つめ合うと吸い込まれそうな気がして、さっと目を逸らした。
バケモノ。
………キュッ!
バケモノは、また紙にペンを走らせ…その内容を私に見せた。

その内容で…私は目の前にいるバケモノは、酷くて怖いバケモノじゃないと理解出来た。
言葉が喋られない変わりなのか、頭をペコりと下げてきた。

紙にはこう書いてあった。
『ごめんなさい。』



どうして君が謝るのだろう。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
私こそ…ごめんなさい。
よく考えば、私のために朝ごはんを作ってくれたじゃないか。

それなのに、私は叫び…バケモノを悪者として助けを求めた。そんな自分が恥ずかしくなった。
【やっぱり、見た目だけで判断したらダメだな。】
バケモノ。
…!
何か思い出したのかバケモノは、またペンを動かせる。
『早速ですけど、
今日からここに住ませていただきます!』
相羽 望結 (アイバ ミユ )
……えっ?
「住ませてください!」でもなく、

「住ませて頂いてもいいですか?」でもなく…

「住ませていただきます!」…!??
相羽 望結 (アイバ ミユ )
は、何を言って…
バケモノ。
『ずっとあなたの隣にいます!』
相羽 望結 (アイバ ミユ )
いや…ある意味怖く聞こえる…
バケモノ。
『あ、そう意味じゃなくて!』
バケモノ。
『サポートしたいだけなんです。』
サポート…したい?この私を?
バケモノ。
『私が、あなたを。』
紙を持ちながら…優しく微笑むバケモノ。

多分、私は口を開けてポカーンとした顔でいるのだろう。
多分…その日からなんだろう。

私の人生が少しずつ変わって行ったのはー。



ーー【ちょい足し】ーーーーーーーーーーーー
((気楽に読んで下さいな‪w))【別に読まなくても大丈夫な内容です(^^;))
相羽 望結 (アイバ ミユ )
あ、あの……
バケモノ。
キュッ?
どうしても聞きたい…!
昨日の夜どうやって入ったのか!?

幽霊みたいにすり抜けてきたのか…。
ドアを開けた時にそっと入り込んだのか……!?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
どうやってこの部屋に入ったの?
恐る恐る聞くと…バケモノは、バァッ!と明るい顔をすると私の裾を握りながら玄関へ向かう。
人差し指でドアを指すと、微笑む。

『見ててよ?』と言う意味だろうか。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
…うん。
私が頷くと、バケモノはドアの方へ歩いたと思うと…そっとすり抜けた。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
あー!やっぱりすり抜ける系か…!
ますます謎が深まるバケモノだ。

こりゃ、気になって死にそうにないなぁ。
昨夜…言ったことは撤回としよう。
ピコっ!》
バケモノ。
キュッ?
相羽 望結 (アイバ ミユ )
ん?…((声にならない叫び))
バケモノ。
キュッ…キュッ!??
…危なかった。
また悲鳴をあげて隣のおばさんに来てもらう所だった…。
相羽 望結 (アイバ ミユ )
ちょっと…顔だけ出すのはやめて下さい…((困惑))
すり抜けるのはいいけどまだ見慣れてないから、顔だけ出すのは、生首に見えるので…



《ホラー》になります。

【ちょい足し  終】

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