第24話

( 24 )
507
2020/11/26 16:09 更新
北くんと約束をしてから3ヶ月。
インターハイ予選に応援に行って
兵庫一になった彼らの姿を見た時
3年生がとても成長していて感動した。

北くんはスタメンではなかったが
ベンチで常に選手たちを見て
タイム中には的確に指示をしていた。

(ちゃんとキャプテンしてんねんなあ)

____________________

1ヶ月後の7月5日。
私は北くんに連絡をした。

"〇〇公園で待ってる"
という北くんらしい文章。

私は急いで公園に向かった。
彼はベンチで本を読んでいた。
西山 愛生
西山 愛生
北くん、お待たせ
北 信介
北 信介
さっき来たばっかやから
全然待ってへんで
西山 愛生
西山 愛生
そっか
北 信介
北 信介
ほんでどうしたん?
ここに呼び出して…
私は手に持っていた紙袋を渡した。
西山 愛生
西山 愛生
お誕生日おめでとう!"信介"くん!
彼は驚いた顔で私を見た。
北 信介
北 信介
あ、ありがとう…
今、名前…
西山 愛生
西山 愛生
呼んでみたかってん!
北 信介
北 信介
もうずっと
そうやって呼んでええよ
彼はニコッと笑った。
その笑顔がとても眩しかった。
北 信介
北 信介
愛生
西山 愛生
西山 愛生
ん?
北 信介
北 信介
誕生日おめでとう
そう言って彼が出してきたのは
小さな紙袋と花束だった。

その花束にはバラやかすみ草に混ぜて
ペンステモンが入れられていた。
西山 愛生
西山 愛生
この花…
北 信介
北 信介
俺は貴女に見惚れています
少年のような眩しい笑顔で
そう言ってくれたわたしの大好きな人。

その笑顔が眩しすぎて
私は涙が溢れた。
西山 愛生
西山 愛生
ほんまに…ずるい……
北 信介
北 信介
春高ももちろん
負けるつもりないから
もうちょい先になるけど
彼は紙袋から小さな箱を取り出して
わたしの手をとった。
北 信介
北 信介
待っててな。
小指に輝く指輪
ピンキーリングをつけてくれた。
西山 愛生
西山 愛生
これ…
北 信介
北 信介
毎年花ばっかりやから
ちゃんとしたもんあげたくて
でも薬指は早いかなおもて
少し照れて顔を逸らす彼。
好きが溢れ出しそうだった。
西山 愛生
西山 愛生
ありがとう、大事にする!
そう言うと、彼はわたしを抱きしめた。
北 信介
北 信介
その笑顔
他の男には見せんといて
(え…かわいい…)
西山 愛生
西山 愛生
じゃあ信介くんも
北 信介
北 信介
ん?
西山 愛生
西山 愛生
他の女の子に
かっこいいところ見せないで…ください…
自分で言っといて
恥ずかしくなって少しずつ声が小さくなってしまった
北 信介
北 信介
なんやそれ、可愛いな
ハハッと笑う彼はとても可愛かった。
諦めずに彼を想ってきて良かった…と思えた。
____________________

高校バレー3大大会の1つである
インターハイが3日前から始まった。

わたしは今日の決勝を見にきた。
試合が始まる前に悠真に会った
片岡 悠真
片岡 悠真
愛生!
西山 愛生
西山 愛生
今日、頑張ってね!
片岡 悠真
片岡 悠真
もちろん
西山 愛生
西山 愛生
応援してるから、みんなのこと
片岡 悠真
片岡 悠真
おう!じゃあまた後でな!
彼はそう言ってみんなの元に向かった。
その背中はとても逞しく頼もしく見えた。

____________________

試合は負けてしまって全国2位。
ただここまで来れたのは
3年生はもちろん、2年生も活躍してくれたからだ。

特に、宮兄弟。
あの二人はとてもすごかった。

西山 愛生
西山 愛生
お疲れ様
北 信介
北 信介
愛生…
西山 愛生
西山 愛生
2位かあ…
惜しかったなあ
北 信介
北 信介
愛生が戻ってきてくれてたら
1位なれてたかもな…
西山 愛生
西山 愛生
ごめんね…
北 信介
北 信介
応援、ありがとう。ほんまに
西山 春馬
西山 春馬
全国2位のマネージャーか!
西山 愛生
西山 愛生
お兄ちゃん!
北 信介
北 信介
…っ!春馬さん!
西山 春馬
西山 春馬
よう、頑張ったな
北くんはとても申し訳なさそうにしていた
北 信介
北 信介
ほんま、すみません…
西山 春馬
西山 春馬
何言うてんねん!
まだ終わってへんやろ?
西山 愛生
西山 愛生
…あ、春高……
そう、インターハイが終わっても春高があるのだ。
北 信介
北 信介
…最後まで頑張ります
西山 春馬
西山 春馬
" 思い出なんかいらん "
…稲荷崎高校の横断幕に書かれているその言葉
終わったことを振り返らずに
前を向いて今を見る

北 信介
北 信介
絶対、春高で優勝します
西山 春馬
西山 春馬
おう!信介たちなら出来る
西山 愛生
西山 愛生
春高、絶対見に行くから!
北 信介
北 信介
ありがとう
遠くから北さんと呼ぶ声が聞こえ
彼は部員の元へ走った。

負けたのは数分前のこと。
じゃあ、春高のために何が出来る?

今の君たちは、何をする?
西山 春馬
西山 春馬
成長したな、信介
西山 愛生
西山 愛生
うん
西山 春馬
西山 春馬
愛生もな
そう言って兄はわたしの頭を撫でた

__________________

インターハイが終わって2ヶ月後
春高予選が始まる。

春高への切符を掴み取るために
彼らは戦う

プリ小説オーディオドラマ