第16話

私の転生先、不器用な公女様でした。 3
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2024/12/21 07:46 更新
「おねー様顔色がわるいです。どうしたのですか」
「昨日色々あったからそれでしょうね。大丈夫よすぐ治るわ」
今日で私がこっちに来た時から2ヶ月なる。見方は付けた、騎士や侍女。侍女は私が怖いと思ってあまり話しかけれなかったらしく今は色々話してくれるようになった。
「お嬢様とアルーノ様!今日は新しい本を持って来ましたよ!」
「え!ありがとう!この本最近人気って言ってたから読んでみたかったの」
「僕の本もありがとうマルテ」
「お二人に喜んでもらって嬉しいです!」
こうやって気安く話しかけてくれるようになった。
「これは公爵様が買ってくれたそうですよ」
「あの人が…?」
最近あの人の動きがおかしい。こうやって本を買い与えてくれたりドレスを贈られたり医者を贈られたりした。
正直なところきみがわるい。今までこんなことなかったし愛してもいない娘にこんなことする意味がわからない。
「お、お嬢様!公爵様がお呼びです!」
「…わかったわ。すぐ行く」
さぁ、これから忙しくなるわね。
「ご機嫌よう、閣下。どうか致しましたか?」
ふわりと微笑んで見せるとピクリと顔が動いた。
「今日私の娘がくる」
「そうですか。それがどうか致しましたか?」
私がなんともないように笑って言ったからだろうお驚きがいつもの鉄仮面に浮かんでいる。
「いや…、それだけだ」
「そうですか、それでは失礼致します。」
私は楚々とした動きで閣下の執務室を出て行った。

コツコツと自室への廊下を歩いてゆく。
私はこの後の展開を知っている。だけども死への恐怖は自身に刻まれているのだ。
だけどそれを打ち勝つくらいさっきのは…。
「ねぇマルテ…」
「…はいなんでしょうかお嬢様」
「さっきの表情傑作じゃない?あははっ!」
私はさっきまで必死に堪えていた笑を一気に出す。誰かさっきまできちんとお嬢様を心がけてた私を褒めて欲しい。
「おじょっ、お嬢様。それは怒られちゃいますっよ!んふふっ」
「私の部屋だからみんな聞こえてないわよ」
一通り笑い終わると私達は息切れを起こして座り込んでいた。
「はー、笑ったわね。ねぇ、手紙来てない?」
「来ていますよ。私は応援していますからね!」
おそらく何か勘違いされているだろうけどまぁ訂正する必要はない。
どうやら私の申し出を受け取ってもらえたようだし。これが終わったらそうなる可能性もあるから。

ティータイムを過ぎるとまた呼び出された。執務室ではなく玄関だ。もうあの子が来ると言うことだろう。
ゆっくりと扉が開かれる。
「お初にお目にかかります。あなたの娘のセルフィアと申します」
あの人と同じ目の人と髪、憎くてたまらない。そんな可愛らしい顔からは想像ができないくらい残酷な子だと私は知っている。
「私と同じ髪色と目か…私の娘だと言うならこれから証明して見せよ」
「はい、精進させていただきます」
あの人は私に見せたことがない笑顔を見せた。とても腹立たしいがそれを顔に出してはいけない。私には味方がいるのだから余裕を持った表情を保たなければ。
「ルキナお姉様ね!これからよろしく」
「ええ、よろしくねセルフィア」
…気持ち悪い。触られた手が腐り落ちそう。
こんな子と過ごさなくちゃいけないなんて胃がキリキリする。
「お姉様、この館を案内してくださらない?」
「セルフィアお姉様、それは私共の仕事でございます」
「お嬢様に案内してもらいたいの」
わかりやすく不機嫌になると執事達はとても困ったような顔をした。
「…わかったわ、私が案内する」
「お嬢様!?」
「ほらみんな仕事に戻ってちょうだい」
心配そうな目線は送られたが諦めたのかみんな仕事へと戻っていった。
「…ルキナ、ここの本物の娘になるのは私だから」
「何故呼び捨てをしているのかしら?私はあなたのお姉様なのよ」
「ふふっ、何もわかってないのね」
嘲笑うような笑みは見ていてとても不快だ。
私はその目を向けられながらこいつに殺された。
「お父様のお顔をちゃんと見ていたの?あの笑顔は私にしか向けられていなかったわ」
「………」
こんな奴の相手をしてないといけないだなんて時間の無駄なのに相手をしなくてわいけないだなんて私のストレスが溜まり過ぎて10円玉ハゲができちゃいそう。
「そう。そんな態度なら私は部屋なんか案内しないわよ?」
「ふんっ、好きにすればいいんじゃない?」
私はあんな奴に良いようにされていたのかと自分自身に心底ガッカリした。
にしてもずっとイライラを隠していかないといけないだなんてなんで疲れるのだろう。何か打ち込めるものでも探さないとイライラのしすぎが自分の死因だなんて流石に嫌。
私はあの子をを玄関に置いたまま自室へと歩いていく。後々何を言われようと上手いこと言い訳をして仕舞えばいい。にしてもこんなことしたことなかったからなんだから面白い。
『瑠璃ぃ?ちゃんとやってるの?』
「…何故私の脳内に直接呼びかけてるのです。夢とかに出れないんですか?」
『気分よき、ぶ、ん!』
少し腹立たしげに言うと今度はため息が脳内に響いた。
「あの子に権力を持たせないようにすれば良いのでしょう?大丈夫ですよ。愚かなことは致しません」
『破滅させた方が早くない?地下牢にでも放り込んでおいてよ』
「私の一存ではどうしようもありません。無茶なことおっしゃらないでください」
『ちゃんとやっといてよね!』
あぁ、ちょっとめんどくさい。だけどねぇ…
そしてこの次の日、事件が起きた。

そう表面じゃ和やかなお茶会をしてたのだ。勿論相手はセルフィアだ。一見和やかに見えたから侍女達も気を抜いていた。
「ごほっ…!」
「セルフィア!?」
「セルフィアお嬢様!?」
私が用意したクッキーを食べたあとセルフィアが血を吐いて倒れたのだ。
ガタンと椅子と一緒に倒れるセルフィアの音は異様に大きく聞こえる。
…しくった!!!!
心の中で私は盛大に叫んだ。あれほど気をつけていたはずなのにやられてしまった。これくらい予想ができなかったわけでもないのにもかかわらずだ。
私は唇を強く噛む。血が出てしまうくらい強くだ。
「早く医者を呼びなさい!早く処置しなくてちゃっ!」
…早速やらかしてくれたわね!

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