角名 side
- たまたま自販に行ったら
好きな子が男に絡まれていた
無理やり腕を掴まれて泣きそうな彼女を助けた
先輩達を追い払って俺達は屋上まで来た
角名:落ち着いた?
あなた:うん……ありがとう……
- 相当怖かったのだろう
眉を下げてあなたはそう微笑むけど
まだ若干身体は震えている
でも____
角名:……男子が怖いの?
- " 男性恐怖症 "なのかと思った
それなら男と関わらないのもわかる
……でも,俺や治とは話せてる
あなた:ううん………告白してきた人が怖いの
- 彼女は確かにそう言った
告白してきた人が怖い?
どういう事だ……?
あなた:あたし昔から自分に自信が無くて,人から好意を向けられたり好意を持たれたりすると……
- 『 この人はあたしを騙そうとしている 』
『 からかって楽しんでいるんだ 』
って思っちゃうんだ,と眉を下げて笑う君
角名:え………?
あなた:だから……好意を持たれる事が怖いの
- そういうことか
だから告白は全部断って
告白してきた人とは距離を置いていたのか
それは天狗になっているとかそうでは無くて
ただ単純に怖かったから______
角名:……辛かったね
あなた:ううん。嫌な思いさせてるのはあたし,しているのは告白してきてくれたみんなだもん
- 怖い思いをしている本人が1番辛いに決まってる
しかもそれは誰にも言えなかったであろう悩み
なのに彼女は____人を気遣う
角名:いつからなの?
あなた:え……?小学校の頃からかな…?もうその時には
" 好意恐怖症 "だったよ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。