私は灰原雄くんが好き
いつか、告白しようと思っていた
だけど______
呪術師はいつ死ぬか分からない職だから言えない
そう、言えなかった
死んだ時辛いからね
苦しいからね
寂しいからね
それでももっと辛いことになった
思いさえも伝えられずに亡くなってしまうなんて__
酷い、酷いよ__
苦しい、辛い、止まりたい、私もそっちに逝きたい
そう言われて、顔にかけられていた布をめくった
雄の顔をはっきりと見た
苦しそう__初めにそう感じた
苦しそうな雄を見てしまった時
頬に水が伝った
雄にその水が落ちた雫で
世界は波打って歪んでみえた
大事なものすら曇り空、影隠されて下を向いた
その時願ってしまったんだ
______過去に戻って想いを伝えたい
私の術式では、過去に戻るという世の理に反することが
人生で一度に限り出来る術式だ
もう、どうしても、想いを伝えたい
そう考えてしまったんだ
それはいけないことだと、何度も体に叩き込まれた
だけど、殺されてもいいから
雄に想いを伝えたい________
ギュルルルルル、バチッ
七海の優しさが私を刺す
如何にやってはいけないことなのかと思い知らされる
だけどもうダメ__
スゥ________
本当にタイムリープしてしまう
死んで欲しくないけど、きっと死は変えられない
_____思いを伝えるまでが
世の理の最大限______
行ってきます











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!