会えば何か思い出すと思ってた。
私の予想は的中して、
少しずつだけど彼との記憶を思い出している。
彼の少し笑った顔が好き。
真剣な顔も好き。
呼んだら、いや。呼ばなくても守ってくれる
あなたが大好き。
でも、私はもう
この世界は御伽噺みたいに
キスされたら人間に戻れる魔法なんて無いし。
あったとしても、きっと貴方は私の事もう嫌いだよね。
自我があってもゾンビならきっと殺される。
いつか誰かに殺されるなら。
最愛の貴方に触れてしまわないように、
セデーションガンを自分の胸に押し付けた。
貴方が殺して、なんて言わないでくれ。
この世は何故こんなにも残酷なのだ。
そう、生まれて初めて思った。
まだゾンビとして未熟な君がモロにセデーションガンを受けてしまったら最悪死ぬだろう。
知っている筈なのに、
何故左胸にセデーションガンを押し付ける?
だって、だって。
俺には君しか居ないんだ。
そう思ってしまう程には君に惚れていた。
そんな顔で笑うな。
辛いはずなのに、怖いはずなのに。
何故君は笑う?
守れなくて、ごめん。
震える指に鞭を打ち、引き金を引いた。
ぞわ、と全身の毛穴が粟立った。
嫌な予感がする。
僕の身体が反応するのは大体寧に何かある時。
今すぐ彼女の元へ駆け付けたいのに、
もうステージの5分前だから此処を動けない。
せめてあの子がグラマシーステージ近くにいるなら...!
いつもご愛読ありがとうございます。
いつもより短いですが本日中にもう1話更新予定です。
よろしくお願い致します。
寧
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。