O.Emu side
予想は、ついてた。
寧々ちゃんが人狼なんだろうなっていうのは、わかってた。
最初から、ずっと。
類くんも。
2人とも、役職を聞いた時の反応がおかしかったから、そうなのかなとは思っていた。
なんだか、いつもと違う気がしていた。
なんとなく、わかってしまっていた。
司くんもそう。
寧々ちゃんとも類くんとも違う、なにか。
司くんが妖狐だってことも、予想はついてた。
3人の笑顔が、朝比奈センパイみたいな、嘘の笑顔に見えてしかたがなかった。
でも、言えなかった。
あくまであたしの予想に過ぎないし、なんとなく察することしかできなかったから。
あたしから見たら、寧々ちゃんしかいない。
だって、今までの言動を見る限り、志歩ちゃんはどう足掻いても市民陣営だ。
そんなの、わかってる。
重く覚悟の乗った志歩ちゃんに反して、咲希ちゃんの返答は軽いものだった。
笑顔で、手まで振ってる。
……あぁ、この咲希ちゃんの笑顔は本物だ。
やっぱり、狂信者なんだ。
あたしが最後に同意してすぐ、「投票時間になりました。投票してください」という音声アナウンスが流れた。
寧々ちゃんに、投票する。
真顔を貫いている寧々ちゃんは、微動だにしない。
そのまま電流を流されて、亡くなってしまった。
そうアナウンスされると同時に、咲希ちゃんにも電流が流れる。
そう言い残して、動かなくなってしまった。
……終わったんだ。
これで、全部。
これ以上誰も死ななくて済むという事実に安堵する。
みんなの顔を見て、あまりにも酷く疲れた顔をしていることに気づく。
誰からともなく、「お疲れ様」と声を掛け合う。
自室を見に行ってみると、案の定と言うべきか、そこにはあたしのスマホとお財布があった。
それと、一通の封筒がある。
封筒には、「Congratulations ! 」と書かれていた。
努力が実ったことを褒め称え、祝福するニュアンスを持つ単語だ。
……そんなことを祝われても、嬉しくなんてない。
封筒を開いてみると、そこには地図があった。
この館周辺の地図みたいだ。
その端っこには、「玄関の鍵は開いています。どうぞお帰り下さい」という走り書き。
とりあえず、2人と会うためにも玄関前に行こう。
扉を開ける。
数日ぶりに浴びた日光が気持ちいい。
さようなら、このお屋敷。
さようなら、人狼ゲーム。
__さようなら、みんな。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。