第5話

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2024/05/12 03:00
 回想










 昔、彼女がいた……





 なんで俺を好きになったのか分からない、




 俺には勿体ないくらい




 可愛くて優しくて、頭も良かった



 俺のどこが好きなのって聞くと、いつも決まって







 

 『…全部だよっ!』
 
 ……彼女と付き合って1年、記念日の日に




 

 遊園地デートをする予定だった




 いつも俺の家に集合してそこからデートに行っていた







 でも、その日は予定の時間には来てくれなかった、








 心配で連絡を入れたけど、既読はつかなくて









 20分後、近くの大学病院から電話が来た










 慌ててでると、彼女が車に跳ねられ意識不明と、





 そこからの記憶はないけど、気づいた時には






 色んな管に繋がれた彼女の手を握りしめていた








 反応はある訳もないのに、ずっと握りしめた





 瞬間、ピクッと指が少し動いたのがわかった







 彼女は目を覚まして、












    『握る力、強いよ……w







 弱々しい声で、……微笑んでいた、
ウパパロン
 ……、ご、ごめん 





   『もう泣かないで、大丈夫だから、』




ウパパロン
 大丈夫じゃないって、
  ねぇ、死なないよね? 





   『あはは、わかんないw、』






   『私が死んだとしても、ウパは死なないでね』





 『それで、辛そうな人が居たら
 
          ……絶対助けてあげてね』









ウパパロン
 死ぬ前提で言わないでよ、…… 





  『泣かないで、泣く時は嬉し涙じゃないとダメ』

















        『……約束だよニコッ』









 



ウパパロン
 その日の夜、彼女は死んだんだ…… 






 聞かなきゃ良かった。





 こんなに辛い話させて、









 
ウパパロン
 …、なんでラテが泣きそうなんだよw 





Latte
 …ッ、聞いちゃってすみません、 






 もしかして、彼女さんが『辛そうな人がいたら』




 って、
Latte
 じゃあ、私を助けた理由って、 




 
ウパパロン
 そうだよ、でも、それだけじゃない 
 ラテはあの人に似ていて
 助けなきゃって反射的に思った





 

 
Latte
 ……ありがとうございます、 



 
ウパパロン
 今のラテは、生気に満ち溢れてる 














  『すごく幸せそうにしてて俺も幸せだよ』

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