第161話

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2021/07/14 12:59


阪本「んー、だめだった笑」

なんて悔しそうにでも私に心配をかけないためか
力無く笑いながら言ってくれる

あなた「みんな、」


西島「あなたちゃんごめんなさい、」

って目を真っ赤にして蓮汰くんが謝ってくる



あなた「うぅ、何謝ってるの!蓮汰くんもみんなも頑張ったよ、ほんとに、」

と溢れた涙はもう止まらない


あなた「みんなの1番近くで見てきたからみんながどんな苦労して大変だったかって知ってるし、」

あなた「みんなの成長だってよく知ってるから、ほんとにみんなはすごいんだよ、」

と私の思いを伝える


太田「うわー、やめて、また涙出てくる」

と斜め上を向き目をがん開きする駿静。



仲村「いやー、悔しいね、」

という冬馬さんに無言で肩を組む海帆くん。


あなた「みんな、ほんとにすごいんだって、私知ってるもん」

私の語彙力どこいったのかなってくらい
みんながすごいってことしか言えない


もう涙で前が見えなくなっていると


寺尾「あなたさんそんな泣かないでください。あなたさんは笑顔が似合いますよ」

って私なんかよりも何倍も今悔しい気持ちで
いっぱいのはずなのに
私を励ます言葉をくれるなんて、


あなた「香信くん、悔しい時は悔しいって言っていいんだよ、うぅ、」

寺尾「!」

私の言葉で目を押さえる香信くん。

香信くんもいくら大人っぽくてまだ高校生な訳で、
抱えるものもとても大きかっただろう。


他のみんなも、

俊司くんは壁側を向いて上を向いて
涙を拭っているし、

アントニーくんと波留くんはもうしゃがみ込んで
泣いている


きっとステージ上ではあまり悔しさを
見せれなかったんだろう、

だから今ここに戻ってきて悔しさが
溢れてるんだろうなって


でもお互いに頑張ったって称え合ってて、
みんなほんとに強いよ、


今、私になにができるのだろう

少しでもみんなに力を与えたいけれど

私にできることって何だろう



そう考えていると、

仲村「あなたちゃん、」

と声をかけられる


あなた「、ん?」



振り向くと冬馬くんが私の前に立ち、
私の目を見ながら

仲村「あなたちゃん、半年間俺らを支えてくれてありがとう。」

あなた「!」


仲村「あなたちゃんがいてくれてほんっとに良かった」

その会話にみんなが頷く


あなた「うぅ、」

突然のことに驚くけれど、
そんな感謝を伝えられて泣かないわけない、


あなた「私は、なにも、っう、」


アントニー「ほんとに、あなたちゃんには助けられてばっかで、元気いっぱい貰ったよ、」


太田「ほんとうに楽しかった、」


小林「、、、おれ、あなたちゃんにクラス分けで落ち込んでた時に声かけてもらって、ほんとに助けられたし、」

小林「きっとみんなもあなたちゃんにたくさん助けられたと思うよ、」


あなた「、ぐすっ、うぅ、」



そんな、私は何にも、
私の方が助けられてばっかだったよ

そう伝えたいけど涙で言葉にならない



すると

仲村「だからあなたちゃんにお願いがあるんだ、」

あなた「?」


お願い?

そう思い、冬馬くんを見ると


仲村「夢を掴んだ11人のことをこれからも支えてあげてほしい、」

あなた「、え」

そう言って頭を下げられる


あなた「そんな、でも、」

突然のお願いに理解が追いつかない



寺尾「僕ら、昨日みんなで話し合って考えたことなんです。」

西島「それに僕たちなら大丈夫です。みんなで結果がどうであれ夢を諦めないって約束したので。」



仲村「きっと11人はこれから大変なこともたくさんあると思う。そんな時にあなたちゃんがいてくれたらきっと心強いと思うんだ、」


仲村「だから、お願いします。」


そう言うと冬馬くんだけでなく
他のみんなにも頭を下げられる



あなた「みんな、そんな!顔あげて?」


仲村「、、、あなたちゃん、やってもらえないかな?」



私はどうしたいんだろう、

私はなんて答えたらいいんだろう、

 

あなた「私は、、、」

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