あなた「うぅ、みんなどうなったんだろう、」
あの後ONEのみんなが帰ってきて
でもすぐに輪っかになって
洸人くんないて、
みんなも泣いて
ってもう私の入る隙間はなかった
なので一度控え室の方へと戻ったのだが
タイミングがいいのか悪いのか
スタッフさんに次から次へと仕事を頼まれて、
バタバタと会場を走りまわっていた
まあ、これが本業なのでけれども、
そんなこんなで走り待っていたらもう時間的に
最終順位の発表中だろう
今から行くこともできるけど
みんなの悲しむ姿はどうしても見たくなくて、
けど、みんなの近くで応援してきたから
最後まで見届けたいって気持ちもあって
今私は控え室にいる。
きっともうすぐしたらデビューを
掴み取った11人を残し、
今回ダメだった10人はこの部屋へと戻ってくる
なんて声をかけたらいいかは分からないし
声をかけられるかも分からないけど
なんだかここにいなきゃいけない気がした
だから誰がデビューできて
誰がダメだったのかはいまだに知らない
あなた「やっぱり怖いな、」
なんて考えていると
ガチャ
あなた「っ、」
落ちてしまったのであろうみんなが
目を真っ赤にしながら帰ってきた
あなた「みんな、」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。