みんなが寝静まって、満月が
一番高い場所に出る頃。
私が付けてあげた火で、煙草の先が
オレンジ色に染まる。
少しだけふかしたあとに
口から煙をふき出したロレ。
眉間に皺を寄せて、苦笑いをする。
数年前の嬉しそうな顔とは
全く違った表情で、かなり拍子抜けした。
あれだけ不味いと言っておきながら
煙草を口に運ぶ事をやめないあたり
喫煙の動きが手に染み込んだ
生粋のヤニカスなんだな、と思い知る。
にへら、と笑って見せたロレは
葛葉とかとつるんだクソガキとはまた違う。
やっぱりちょっと大人になってて
少し上手を取られた気分だ。ムカつく。
バルコニーの柵に向かってもたれていた
ロレは、くるりとこちらを向いて
さっきまでの笑顔を真顔に変えていた。
確かに、まるで絵に描いたような
葉巻を吸っているお偉いはいたけれど
私自身、火付け役はしていない。
うん、この顔見れたから満足。
と言いたいとこだけど
なにやら思うところがありそうなロレ。
ロレと話したからなのか
久々の喫煙姿を見たからなのか
バルコニーから自室に戻ってすぐ
さっきまで寝れなかったはずのベッドで
見事にぐっすり寝た。
to be continue













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。