第5話

まひな 『体調不良』
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2026/03/20 14:53 更新




その日は、普通だった。

朝もちゃんと起きたし、授業も受けたし、友達とも話した。

ちょっとだけだるい気はしたけど、気にするほどじゃなかった。

まひな
じゃあねー


放課後。校門で手を振る。

まひな
また明日ー!



そう言って、いつも通り一人で帰り始めた。
家までの道は、慣れてる。

歩きながら、
今日のことをなんとなく思い出してた。

テストのこととか、先生の話とか。

まひな
……


その途中で、少しだけ足が止まる。

なんか、変。
でも、すぐに歩き出す。

まひな
気のせい、気のせい


小さくつぶやく。

数歩、進む。

でも、さっきより はっきりおかしい。
お腹のあたりが、じわっと気持ち悪い。

まひな
……んぅ


急に来る。
さっきまで普通だったのに。

立ち止まる。

深呼吸。

まひな
大丈夫…大丈夫…


そう言いながら、また歩く。

でも、
歩くたびに、気持ち悪さが強くなる。
視界も、少しだけ揺れる。

まひな
……やだぁ


思わず声が出る。
段々と目が熱くなる。

周りには人もいる。
でも、なんか遠い。

近くの電柱に手をつく。

まひな
っ、


これ 帰れる?
頭の中で考える。

でも答えが出ない。

そのとき
スマホがポケットの中で重く感じた。

まひな
……オンニ

スマホを 取り出す。

少し迷う。
でも、画面を開く。


💬『ちょっと気持ち悪い』


送る。

数秒で既読。
すぐ返信がきた。


💬「今どこ?」


まひな
はや


ちょっとだけ安心する。

辺りを見渡して、文字を打つ。


💬『いつもの駄菓子屋』


💬「迎え行く」


その文字を見た瞬間、
力が抜ける。

まひな
よかった……


小さく言う。

そのまま、しゃがみ込む。
もう立ってるのがしんどい。

通り過ぎる人の足音。

車の音。

全部、ちょっと遠い。
でもさっきより怖くない。

まひな
オンニが来てくれる…


それだけで、全然違う。









数分後。

じす
マヒナ!


聞き慣れた声。

顔を上げる。

オンニだ。
少しだけ息を切らしてる。

まひな
オンニ…


オンニが、近くに来てしゃがむ。

じす
大丈夫?
まひな
つらい、


正直に言うと、オンニはゆっくり頷く。

じす
いいよ。少し休もっか


手を軽く握る。
ジスが周りを少し見て、日陰の方に誘導する。

ゆっくり移動する。

じす
歩ける?
まひな
ちょっとだけ……


支えられながら、数歩。

それだけで精一杯。

座ると、少し楽になる。

じす
急に?


オンニが聞く。

まひな
……さっきまで平気だった
じす
そっか


それ以上、無理に聞かない。

ただ背中をさする。

じす
大丈夫だからね


その一言が、しっかり届く。

まひな
帰れるかな、
じす
無理しなくていい


少し考えてから言う。

じす
もう少し休んで、それでもダメなら
タクシー使お
まひな
わかった


ちゃんと考えてくれてる。
それだけで、安心する。





しばらくして。
少しだけ、波が引く。


まひな
……さっきよりマシ
じす
ほんと?
まひな
うん


オンニが少しだけ笑う。

じす
じゃー、帰ろっか?
まひな
うん、ありがと


立ち上がる。

まだ少しふらつく。けど
さっきほどじゃない。

隣にオンニがいる。
それだけで、ちゃんと帰れそうな気がした。



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