ファンっていう存在を、
俺は今までちゃんと認識してなかった。
騒がしい。
写真を撮る。
名前を呼ぶ。
___それだけの人たち。
でも今日は、違った。
放課後
体育館の外
あなたを待っていると、
聞き覚えのある声がした
振り返る
同じクラスじゃない
多分、他校。
笑顔
距離、近い。
…ああ。
こういうやつか
適当に返す
会話を続ける気はない
でも。
___その質問。
あなたは、まだ来ていない
タイミングが、最悪。
答えは、もう決まっている
一切、間をおかない
それで終わる話
…のはずだった。
あ。
それ、地雷。
俺は、少しだけ視線を動かした
あなたが、ちょうど出てくる
完璧なタイミング
俺は、歩いた
あなたの前まで
自然に
当たり前みたいに
声をかける
あなたは、一瞬驚いた顔をしてから
状況、察した
偉い。
俺は、そのまま隣に立つ
距離、ゼロ
説明しない
紹介もしない
ただ、位置で示す
女子たちの空気が変わる
視線が、あなたに集まる
値踏み。
比較。
理解。
俺は、あなたから目を離さない
それだけ
即答。
___正解。
歩きながら、背中に視線を感じる
でも、もうどうでもいい
一拍。
正直
それを言ってくれるの、助かる
あなたが、少しだけ目を見開く
俺は、淡々と答えた
あなたは、一瞬考えて
でも、笑ってる
それでいい
ただのファン対応。
彼女を大事にする彼氏。
でも実際は。
角名は、
‘‘比較される土俵‘‘を消した
視線も、評価も、
最初から成立しないように
___破らせないために
今日も。
共依存カップルは今日も狂っている。
他人の好意を、
最初から世界に入れないまま。
そろそろ一番くじですね✨
次回 嫉妬の遮断












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。