第4話

....
2,209
2025/10/14 03:00 更新

あの日から陸とは会ってない。今までいかに自分が陸と会うために行動していたのか知った。会おうとしなければ、会わないのは簡単だった。今までだって毎日会っていたわけじゃない、週に3、4回大学で会えればいい方だった。それでも1週間ずっと会わないのは初めてだった。だから少し期待していた、陸から連絡が来るんじゃないかって。そんなものは淡い期待だったけど。
1週間と少し過ぎた頃、滅多に動かないサークルのグループチャットが動いた。どうやら飲み会を開くらしい。このサークルに入ったのも陸に近づくためで、その目的がなくなった今参加する必要もない。アンケートに不参加で登録をした。

陸と会わない学校生活は淡々と過ぎて、なにも感じない。セフレ、なのだから他の人がいようががめつく平気な顔をしとかなきゃだめだって分かってる。でもどうしても、嫌だと思ってしまう。自分のものでもないのに、触らないで欲しいと思ってしまう。今陸に会えば、何を言うか何をするか分からないから会うのが怖かった。

「ゆうちゃん」

数日後、学内で陸に会った。講義が終わり講堂を出た時、声をかけられた。もしかして、俺を待ってたのかななんてまた馬鹿みたいに期待して。

「俺、なんかした?なんか怒ってる?」

「何も」

「…あの日電話出れなかったから?」

陸が珍しく顔色を伺うようにして聞いてくる。でも勇志は知ってる、あの日電話に出れなかったんじゃなくて出なかったという事を。出れなかったと言う陸に、今度こそ気が立つ。

「出なかったくせに」

「ぇ、?」

「陸〜!なんで飲み会来ないの?」

サークルの先輩が陸に声をかけたから、気づかれないようにその場を去ろうとした。けど陸が、コイツが行くなら俺も行きますよ。なんて事言うから、先輩達の視線がこちらに向く。

「得能くん、だっけ?陸がこう言ってるから来て!」
「てかなんかよく見たらイケメンじゃん!」
「得能くんもおいでよ〜!」
「お願い!みんな陸に来て欲しいって言ってて!」

こういう注目のされ方は苦手で、本当に面倒な事に巻き込まれた。陸を睨むが、冷たい目線でこちらを見ているから視線を逸らす。先輩達は遂に勇志の腕に触れてきて、不快感を覚える。わかりました参加します、と早口に言ってその場から逃げた。まだ陸はなにか言いたそうな顔をしていたが、気づかないふりをした。

プリ小説オーディオドラマ