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第55話

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2023/05/20 13:33 更新
 温斗
温斗
 小6の時、クラスで北風と太陽の劇やったの覚えてる? 
you
you
 唐突だね...覚えてるよ 
 温斗
温斗
 あの時あなたは北風は俺で、
  太陽はジョンウォンが似合うって言ったじゃん 
you
you
 言った、かな? 
 温斗
温斗
 間違いなく言った
  悪口かよってムカついたから覚えてる 
you
you
 ...!それはあたしなりの褒め言葉だったよ? 
you
you
 温斗君が北風って言ったのは、劇の練習とか
  さぼる人に温斗君がビシッと注意するから
  温斗君自身に強い力があるみたいな感じがして 
 だって私がいくら「練習しようよ」って誘っても


 誰も聞いてくれなかったのに


 その後に温斗君が注意したら、皆従ってくれて...って、


 温斗君が注意するのは私の注意が誰の耳にも届かなかった後だった?


 もしかして私の声を代弁してくれていた...?


 ハッとして顔を上げる


 斜め前方には、ただ前を歩く気だるげな背中。


 いや、あの頃いじめっ子な温斗君がそんなことするわけないか
 温斗
温斗
 話もどすけどあなたはあの時太陽が好き
  って言ってたじゃん優しくてかっこいいって で... 

なぜか言葉を止めてしまって、私は静かに待つ


 温斗君は息を吐いて、咳払いをして言葉を続けた
 温斗
温斗
 でも俺は太陽にはなれないから 
  俺は北風らしく行っていい?
 その意味がわからず、戸惑ったその時


 私は強く腕を引かれ彼の両腕の中に抱きしめられていた
 温斗
温斗
 つーか、北風らしく強引に行くって
  決めたそれでいいよね? あなた 
 体を離した彼の鋭いけどどこか優しい視線に


 訳もわからないくせに私は頷いてしまっていた
 温斗
温斗
 はい頷いちゃった 後悔すんなよ 

 いじわるな笑みを残して先を歩いて行ってしまった
 心臓が鳴り止まないよ...

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