おじいちゃんの家から歩いて数分。
僕らはとんでもない広さの森の入り口に立った。
見渡す限り、森、森、森。
頭上を見上げると高く木がそびえ立っており、青い葉が日光を浴びて輝く。
僕の呟きに笑い返すと、MENは斧をかかげた。
ぼんさんの声に、MENは振り返る。
なるほど、要するにサボるためにあんな質問したんだな。
ぼんさんらしいというかなんというか……。
おじいちゃんも作業をしているということで、もうサボりの言い訳は無くなったのだろう。
僕が笑いかけると、ぼんさんは半ばやけくそのように斧を握り直した。
あたりを見回すと、先ほどの宣言通りおんりーは入り口から入って右側を、左側をおらふくんが担当していた。
MENの姿は見えない。おそらく森の中へ入っていったのだろう。
これからの膨大な作業量に遠い目をしているぼんさんを引っ張って、僕は森の中へ足を踏み入れた。
数時間後。
なんということでしょう。
あんなに視界いっぱい広がっていた木々が、一つ残らず伐採されてしまったではありませんか。
手渡しされたりんごを頬張りながら、ぼんやり考える。
まさか、こんな数時間で終わるとは。一日中かかるのを覚悟してたのに。
少し遠くから聞こえてくる彼らの声には、疲労の色は微塵もない。
それどころか、このまま次の素材集めに行く気満々だ。
僕の呟きに返事が返ってきたので思考から浮上し、ついでに顔もあげる。
ぼんさんの口からポロリとこぼれた呟きは、MENの大声にかき消される。
でも僕は、言わんとすることを察していた。
一瞬驚いたぼんさんは、そのままこちらを向いて笑う。
視線を前に戻すと、おらふくんがぴょんぴょん跳ねながら手を振っていた。
肩からひょっこり顔を出した雪だるまくんも、目を輝かせながらこちらを見る。
おらふくんと雪だるまくんが、全く同じタイミングでハッとするものだから、その場に笑いが生まれる。
声はみるみる遠くなっていく。
全力で走るおらふくんに腕を引っ張られ、おんりーの体制が崩れたのが見えた。
だがそれも一瞬で、走るおらふくんに合わせようとしたのかおんりーも走り始めると、今度はおらふくんが引っ張られる形となる。
そう感心していると、その横にもう1人並んだのが見えた。MENだ。
いやいや、おらふくんも引っ張ってるんだからスピード落ちるに決まって───
さらにおんりーが加速し、MENもそれに追随する。
もはや競走の雰囲気になっている2人の背中を横目に、ぼんさんが口を開いた。
なお、主には前科があります(※3日に一回っていうアンケ結果守れてない)
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。