
おらふくんside
青森で狩り出してから数分後。
僕らの目の前で、もう何匹目かも忘れたエンダーマンがまた一体、チリと化して消えた。
ボートを回収し、ぐるりと周りを見回す。
僕がじっと見つめる中、MENは右手にパールをひとつ握った。
軽く手を振り、それを投げる。
緩やかな放物線を描いたそれは、そのままマグマの海を越えて、対岸へ飛んでいく。
床にそれが当たったように見えた瞬間、隣からMENの気配が消えた。
おんりーが指差した先では、対岸の陸で呑気に手を振るMENの姿が。
さもありなんと頷いたおんりーは、僕の手にそっと何かを握らせる。
見ると、ガラス瓶のようだった。オレンジ色の液体が静かに揺れる。
栓を抜いて、中身を一気に飲み干す。
僕の体を包んだオレンジ色のモヤを見て、おんりーは満足そうに頷いた。
思いっきりパールを投げる。
僕が投げた綺麗な玉は、緩やかな弧を描いて飛んでいき─────────
MENが立つ陸より前で減速し、壁にぶつかった。
それを目視した瞬間、僕の周りの景色がプツンと音を立てて切り替わる。
次の瞬間、僕はマグマの海に落ちていた。
視界がオレンジ色に包まれる。
MENの声を頼りに慌てて周りを掻き分け、顔だけ海から突き出す。
ここから見ると、MENがいる場所がとても高く見える。
MENの言葉に小さく頷き、陸に向かってマグマを泳いでいく。
少し不思議な感じだ。
暑さに弱い僕が、気温よりもはるかに熱いマグマを平気な顔して泳いでるなんて。
ぼんやり考えながらひたすら手を動かしていると、おんりーもとんできた。
陸にはたどり着いたので、壁をひたすら登っていく。
でっぱっているところに飛び移ったり、時々掘ったり。
着々と2人の顔が近づいてくる。
MENが差し出した手に向けて右手を伸ばし、しっかり掴む。
いっきに引き上げられ、僕はやっと上へ到達することができた。
おんりーがいつのまにか入手していた黒曜石でゲートを作り、現世に戻る。
空を見上げると、赤から水色への綺麗なグラデーションが見えた。
久々の太陽を前に、僕はぐぐっと伸びをした。
ちょっと残念に思いつつも、館に帰ろうと一歩踏み出すと。
神様、なんで僕はこんなに方向音痴なんでしょうか。
またマイゴーになっちゃう!!!←
そんなことを思いつつ、森の中へ入る2人の背中を追った。
ちょうど館に着くと、ちょうどドズルさんとぼんさんの2人とばったり出会った。
思わず声を漏らして固まった僕らは、ハッと我に帰ると声をひそめて会話を始めた。
2人があまりに豪快に笑うものだから、思わずじとっとした目線を送ってしまう。
ごめんごめん、と片手を上げながら必死に笑いを抑えようとする2人。
その横をすっとすり抜けるふたつの影。
いつのまにか、おんりーとMENは館の中へと姿を消していた。
ドズルさんの言葉を脳の片隅に留めたあと、僕も館の中へ入っていく。
後ろでわずかな茶番を繰り広げたのちに、2人も入ってきた。
ちゃんと扉を閉めたのは、やはりドズルさんだった。
奥へ進むと、なにやら美味しそうな香りが僕らを包む。
ダイニングを見ると、いかにもできたてですと言わんばかりの湯気をあげる料理の数々が。
MENの声を受け、慌てていつもの位置に腰掛ける。
ここから雑談↓













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。