ドズルside
あれから何十分間、僕らはひたすら視界に入ったエンダーマンと目を合わせ続けた。
ボートに乗せてタコ殴り、という手順にもだいぶ慣れて、僕らはときどき雑談しながら機械的に集め続ける。
時々、誰かが間違えてボートを壊してしまったりする。
その場合、ボートで捉えていたエンダーマンたちが解放されて阿鼻叫喚の地獄絵図になるため、周囲の人が迅速にボートを置く必要がある。
今回その重役を任されたのは、ぼんさんのすぐ近くで狩っていたおらふくんだった。
振り向いた瞬間におらふくんを見つけ、地を蹴ってひたすらダッシュ。
何体かいるエンダーマンに追われながら、青々とした森を駆けること数秒。
汗を拭いながら、本日何度目かのため息。
数十分に1回は誰かしらがやらかすので、皆がもう慣れてきた頃だった。
思わず大声をあげると、さらにエンダーマンが湧いた。
つい視界に入ったので目を合わせてしまい、姿が消える。
ぼんさんを睨みながらも、しっかりボートに誘導。
この作業も、もう慣れてしまった。
そう言って、周囲にあるボートを全て破壊し始める。
そのまま青森を後にし、少しひらけた場所まで移動するべく歩き出した。
そんな会話を交わしつつも、手慣れた様子でホグリンを燃やす。
側から見ればシュールすぎる光景となっていることだろう。
僕らの優先度はもう戦闘より雑談の方が勝っていた。慣れって怖い。
そうして視界に入ったホグリンをひたすら豚肉に変えていく作業が数十分ほど行われた後、少しの休憩を挟んでからまた歩き出す。
入ってきた場所を塞ぐと、完全とは言えないが敵が入ってこれないような密閉空間が完成。
広さも申し分ない。暗過ぎず、ちょうどいい空間だった。
この場所を見つけたおらふくんは、得意げに胸を張ってみせる。
もう、この場所で何をするのかは明白だった。
僕とぼんさんの声がぴったり揃う。
なんでもないように見せかけて実はかなり気になっていたらしく、瞬時にパールを取り出してみせる。
無論、僕もだ。
おんりーの言葉を遮ると、聞くより見て覚えろと言わんばかりに右手を構えた。
力を込めすぎずに、それはそれは綺麗なフォームでパールを投擲。
ゆるやかな放物線を描きながら、それは向こうまで飛んでいった。
やがて、パールが壁に当たったかと思うと、隣から気配が消える。
試しに、僕もパールを投げてみる。
何か声が聞こえるが、とりあえず無視して目の前のパールの軌道に集中。
MENが行った場所よりだいぶ前に落ちそうだ、と思った瞬間。
プツン、と周りの景色が切り替わった。
どうやら、MENの声がはっきりと聞こえる場所にまでは飛べたらしい。
しかし、僕とMENとの間にはまだ距離があった。
後ろから、まだ聞こえないはずの声がした。
振り返ってみても、確かにぼんさんがいた。
昔から、思いついたことに真っ直ぐ突っ走ってしまう性格だった。
これは僕の悪い癖だ。
行動力がずば抜けてるのはいいことだと思うけど、とぼんさんは腕を組んで笑った。
稀に見る大人びた笑顔に、この人は僕より年上なのだと再認識させられる。
しかしそんな雰囲気は一瞬で消え失せ、いつものぼんさんに戻っていた。
気づいたら、隣にいた。
後ろには、力加減を間違えて壁に激突したおらふくんの姿も。
赤くなった鼻を押さえていた。痛そうだった。
瞬間移動って恐ろしいな、なんてしみじみ考えてしまう僕だった。
笑顔で乱入してくるおらふくん。両手にエンダーパールを抱えている。
パール移動を極める気満々のようだ。
その熱意に当てられ、僕らのやる気にも火がついた。
なんとなく雑談しながら、一列に並ぶ。
見据える先は、密室空間の端。
5人分の風を切る音が重なり、5個の宝玉が宙を舞った。
※新作投票のアンケあります。
──────────────────────────────
誰もいない、あの神社で。/ファンタジー
『真相は、闇の中』
とある田舎で起こった、神隠しのお話。
──────────────────────────────
虚ろな鏡像/ホラー?
『映るのは、本当に“自分”?』
不気味な空間に迷い込んだ、5人のお話。
──────────────────────────────
神々と、人々/ファンタジー
『さぁ、宴の続きを。』
とある5人組と、自分達そっくりの神様のお話。
──────────────────────────────
歪んだ時間の中で/ホラー
『繰り返した、その先に』
最悪な結末を避けるため、何度も時を戻り続ける男の話。
──────────────────────────────
我らは生徒会!!/コメディor青春・学園
『青春と友情、ただ今を生きる』
とある学園の生徒会中心の、愉快な学園生活のお話。
──────────────────────────────
バケモノが潜む街/ホラー
『あなたは、ニンゲン?』
人間に紛れて暮らすバケモノがいる世界で、様々な事件に巻き込まれるお話。
──────────────────────────────
※タイトルはあくまで仮のものです。
即興でつけたので後から変える可能性が十二分にあります。
アンケート
新作候補、人気投票!(タイトルは全て仮)
誰もいない、あの神社で。
44%
虚ろな鏡像
9%
神々と、人々
29%
歪んだ時間の中で
0%
我らは生徒会!!
9%
バケモノが潜む街
9%
投票数: 34票
「追記」 2026/07/17 22:40
やらかした。
タイトルをつけ忘れていました。
久しぶりだな、このミス…((
すみませんでした(土下座)













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!