第22話

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2024/06/29 04:02













凪砂
俺、防衛隊員になる




山の少し切り開かれた、俺達だけが知ってる秘密基地で凪砂がそう言った




あなた
知ってるよ
凪砂
だからぁ、あなたの下の名前も一緒になろうぜ?
凪砂
そんで2人で最強になって伝説作ろうぜ??


たく、懲りねーな


あなた
何回も言ってんだろーが、ヤダって



俺がそう言うと、凪砂はいつものように拗ね始めた



凪砂
どーせ最強は1人じゃないとダメとか、そう言うやつだろ

あなた
分かってんじゃん



そうだ、





最強と呼ばれる人は1人で圧倒的な力を持っているから最強なんだ




あなた
それに、俺は防衛隊に対して強く憧れてるわけじゃねーし






俺は座っていた丸太からピョンッと飛び降り、凪砂に背を向けて歩き出した





あなた
凪砂は人一倍正義感があるし運動能力だって高い























あなた
きっと、俺が居なくても一人で伝説ぐらい作れるよ








俺は振り返らず、その場を後にした
























あなた
あ、雨降るって言い忘れた









俺はポケットからスマホを取り出し、凪砂とのトーク画面開いた































あなたの下の名前が居なくなった秘密基地に1人でいると、ピロンっとスマホがなった








性格悪い奴
そろそろ雨降るらしいからはやく家帰れよ
                             14:53






あなたの下の名前からのメールだった









相変わらず朝の天気予報は欠かせないのな












俺はそのメールを既読だけして何も返さなかった










山の中だから、むさ苦しいセミの鳴き声が頭に響く











































凪砂
お前が居ないと意味ないんだわ



































LINEしても返事が来ない






いつもはすぐに返ってくるのに





あなた
そう言う時は、大抵なんかあった時なんだよなぁ




俺はさっきまでいた場所に戻ろうとした









あなた
あなた
やっぱやーめた



これは俺の勘だ







今はそっとしておこう




































俺は後悔した
















この時戻って、














凪砂と一緒に帰ればよかったと



























































あなた
土砂降りじゃん…



俺は窓の外が見えない程の雨に驚いていた




あなた
…凪砂もう帰ってんかな







気づけば足は階段をおりて、玄関まで進んでいた







どこ行くの?雨降ってるけど…







エプロン姿のお母さんが心配した様子で俺に話しかけた









あなた
凪砂のとこ




俺は靴紐をキュッと結んで、お母さんのカッパを着て外に出た























ずっと嫌な予感がしていた








歩いていた足は早歩きになって、








気づけば全力で走っていた








被っていたフードはめくれていて、髪も顔もびしょ濡れだった







でもそんな事は全く気にならなくて








必死に、無我夢中で走った



















あなた
ハァ、ハァ、ハァ…






そう遠くないその場所が、異様に遠く感じた







やっとの思いで着いたけど、そこには誰も居なかった






あなた
さ、流石に帰ってるよな
あなた
馬鹿だな、俺







冷静に考えてこんな大雨なのに帰らないなんておかしいだろ






でもなんか、






すっげぇ安心した










するとピロンっとスマホがなった







凪砂か…?と思いながら通知を見ると…










あなた
"近辺に怪獣がいます、十分に注意して直ちに家に帰ってください"
あなた
"第3部隊がそちらに向かっています"



怪獣…?






そんな感じはしないんだけどな〜






一応急いで帰るか






︎︎
おわ…!


あなた
…!




人の声…






どこからだ…?







もしかして怪獣に遭遇した…?







周辺を歩いて声の主を探した







結構深い所まで来ちまったな…





























すると、そこには小さな女の子と見慣れた人物がいた







あなた
凪砂…!!!

凪砂
…!
凪砂
あなたの下の名前…!




俺は急いで凪砂の元へ向かった



あなた
なんで家帰ってねぇんだよ…
凪砂
わ、悪ぃ
凪砂
山ん中散歩してたらこの子が迷子になってて、そのまま俺も道わかんなくて…

あなた
あほか、スマホ使えよ
凪砂
充電無いんだよ!


あなた
たく、さっさと帰んぞ
あなた
女の子風邪引かせたらダメだからこれ着ときな



俺はびしょ濡れだけど…と言いながら来ていたカッパを女の子に着せた



︎︎
あ、ありがと…


そう言えばと思い、女の子を不安にさせない為、渚に耳打ちをした




あなた
ここら辺で怪獣が出たんだと、
あなた
周り警戒して、あんま物音建てんなよ
凪砂
…?!…分かった


俺は自分達が何処にいるのかを確認する為にスマホを取り出した






電源ボタンを押すが画面は真っ暗のままだった






あなた
あ、あれぇ?おかしいなぁ…(汗

凪砂
まさか…



何度も押すが結果は変わらず…



あなた
スゥ………



あなた
充電なくなっちった(・ω<) テヘペロ






沈黙が続く


あなた
ごめんて


凪砂
はぁぁぁ…どーすんだよ…
凪砂
これじゃマジで迷子だぞ
あなた
元々迷子だろお前は











パキッと小枝が折れる音が聞こえた





あなた
…!
凪砂
あなたの下の名前…
あなた
あぁ、分かってる
︎︎
…どおしたの?
あなた
鬼が来た…って感じかな
凪砂
ほら、こっちおいで



凪砂が女の子を抱っこした







直ぐに逃げれるようにってか








やばいな…





ただの勘違いであって欲しいけど…














そんな俺の望みを踏みにじるように、









そいつは現れた













あなた
…ッこれ…
あなた
生きて帰れるかなぁ…(笑
凪砂
生きて帰るしかねぇだろ、
凪砂
こんなとこで死ぬ訳にはいかねぇんだから





俺達の数倍はあるガタイで、見下ろされる










そいつは紛れもない怪獣で、恐竜型の怪獣だった
































展開が進み始めましたねぇ

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