第19話

未完成な心配
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2026/04/07 12:00 更新







髙地
お前まじなんもされてねぇ!?!?
あなた
ちょっばか声でかいから
1限目の時間を使って図書館で勉強しようとすると、つけて来たのかなんなのかガバッと後ろから来る髙地


あごめん…と冷静を取り戻した髙地は、らしくなく焦った顔をしていてそのまま私の座る向かい側に座った
髙地
押し倒されたりとかしてない?
あなた
されてない
髙地
キスとかは?
あなた
もっともない
距離がぜろになることはあったとして、別にやらしいことはされてないから事実。


そう一つ一つ髙地の質問に答えてれば、髙地は安心したようにぐったりと机に伏せてよかったーと零した。
あなた
そもそも付き合ってもないから
髙地
だろ?そこなんだよ、またお前が傷つく
の俺見てらんねぇから焦ったわー、
あなた
…髙地は優しいね、ほんと
髙地
お前ん家の一人娘守れってこっちは
すげぇ責任託されてんだよ笑
髙地に言われて良くなかったろくでもない私の恋愛を思い出した。髙地はいつも私の恋愛事情を気にしてくれてて、ばっさり終わらなかった問題を終わらせて。


私も鈍感じゃないから気があるんじゃないかと期待することもあったけど、私は髙地の恋愛も聞かされてるからまあそれはないと。一途に引くこともあるが。
あなた
…あいつはさ、
髙地
え?
あなた
大丈夫、だと思うよ
あなた
確信は無いけどね
髙地の目が丸くなった。何が大丈夫なんだ、って心配でもするように。それはそう、あの田中樹だから。


けどさりげない見返りを求めない優しさ、心を覗くような探る目、見えた過去の孤独心。
髙地
お前がそういうならいっか、
でもまあ樹は一応悪いやつじゃないよ
あなた
今ずいぶんと一応を強調したね
髙地
んーまあただの遊び人じゃねぇからなー
何かを知ってるような言い方だなと、思った。昨日の電話でも田中の返答は結構親しそうな感じだった。


聞けば彼が求めたあの声の正体もわかるんじゃないか、そう思ったけど上手く踏み出す勇気はなくて。
あなた
ねぇ髙地、田中はさ_
意を決して髙地の名前を呼んでこちらに顔を覗かせて来て言葉を発しようとすると、すっと誰かの手が割り込んできた。
田中
こんなとこでなにしてんの?
でなんで髙地といんの?
あなた
なっ…
髙地
相変わらずこえー、別にお前の女を
盗むほど俺最低なやつじゃねぇって笑
田中
髙地寝とりそうじゃん
髙地
寝とらねーよ
あなた
あっ、えっと、体調はもう大丈夫?
多分本人たちは冗談のつもりだろうけど、髙地の目が本気になってきたから慌てて止めるように立ち上がる


ふと田中と目が合って、また何か探られそう、だった
田中
…ん、あーんしてくんなかったのは
寂しかったけど
あなた
いくらなんでもそれはできません
あーんしてくんねぇの、?、なんてあまりにも恋人に出すぎた真似だったから速攻断った。


じゃあしてくれるまで頑張るわ、なんていう田中に髙地がまた何か言い返してラリーが始まったんだけど、


なんというか、どこか私と彼の間に壁ができていたのは気のせいだったのか、気のせいじゃないのか。

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