ななもり。side
今日はころちゃんとるぅとくんと一緒にジェルにいの病院に行く
ジェルにいが事故にあってから一週間近くたって、だんだん俺たちもジェルにいのいない生活に慣れていった
これまで、冷たい態度をとって、いないふりしてみたりとかいろいろやってたけど、そんな俺たちに対してジェルにいはいろいろお世話をしてくれて家事もたくさんやってくれていた
ジェルにいは俺たちのためにたくさん頑張ってくれていて…
今では、なんで俺たちは…俺は、あんなことをしていたんだろうってすごく後悔してる
後悔、なんてそんな簡単な言葉で終わらせられるとも思ってない
記憶が戻ったジェルにいに許してもらえるとも思ってない
けど、今俺にできることをして、ジェルにいにお返しをしようって決めたから。
病院に言ったらジェル君を診てくれているお医者さんが話しかけてきた
二人を先に行かせて俺はお医者さんと話す
そのあと色々話し合った結果、急だけれど今日退院してもらうことになった
入院にお金もかかっちゃうし…
ジェルにいも兄弟たちも賛成してくれたから
ジェルにいはこの一週間でだいぶ慣れたらしく、話し方とか呼び方とかは記憶がなくなる前と同じくらいまでになった
でもまだ不安なことも多いだろうし、その分俺が頑張らないと…!!
それから俺たちはみんなで話しながら家に帰った
ジェルにいは周りをじっと見ながら家に帰っていたけれど、記憶は戻ってないからやっぱりわからないらしくところどころ不安な顔をしていた
おかえり、とか言いながらこれまで俺、ジェルにいにまともに言ったことなかったな…
やっぱり俺最低なことばっかしてた…
今はジェルにいの記憶がないことをいいことに、まるでなにもなかったように接してるけど…
ほんとに最低だ
俺の顔を見たさとみくんが俺に聞こえるようにつぶやく
るぅとくんが張り切って言ってる
るぅとくんもジェルにいの役に立とうと必死でたくさん頑張ってくれてる
俺が今一番上なんだから、ちゃんとしないと
ちょうどジェル君たちがほかの部屋に行ったとき、莉犬君が学校から帰ってきた
今日は委員会の集まりがあるから家変えるの遅くなるって言ってたんだっけ
さとみ君の声も無視して部屋に入っていった
まだ莉犬君はジェル君のことが嫌いなんだよね、きっと
これも全部俺がしたことだから何とかしないといけない
けど、俺がジェルにいとよく話すようになってから莉犬君は俺たちと距離を置くようになってなかなか話してくれなくなった
前まではジェルにいが孤立してたけど今は莉犬君が孤立してる
俺たちはもうこのまま仲良くなれないのかな…
莉犬side
さとにいの声を聴きながら部屋に入る
別に勉強なんてしない
何もしないでただたんにぼーっと椅子に座るだけ
わかってる。
今俺が悪くて、ジェルにいにもちゃんと謝らないといけなくて
ジェルにいにどんな顔を向けたらいいかわからない
だってさ今頃になってごめんなさい、なんてできないよ
なんでななにいたちが今、あんなに普通に過ごせてるのかわからない
だって、俺が悪いんだよ?
何にも悪くないジェルにいが、事故にあうくらい大変な思いして
その間俺何してた?
いつもみたいに動画見て、マンガ読んで、ベッドでごろごろして
今までだってさ、ジェルにいが稼いでくれたお金でほしいものいろいろ買ってさ
多少は親がいなくて苦労したけどその分いろいろカバーしてくれたし、大きく困ったことも少ない
そんな俺が、自由に暮らしてきた俺が、ジェルにいに合わせる顔なんてないし
ジェルにいと仲良くする権利なんてない
第一、みんなと一緒にいることさえよくないのかもしれない…
なんでこんなことしてたんだろう
なんで大きくなる前に気が付かなかったんだろう
なんで…なんで…
もう、どうしたらいいのか、もうわからない…
でも、俺は一人なんだから…
一人で何とかしないといけないんだから…
正直今は誰とも話したくなかったけど、るぅちゃんを追い返すわけにもいかないし部屋を開ける
その時、ななにいが入ってきた
消えそうなくらい小さな声で言う
るぅとくんが俺の服を引っ張っていう
涙を流しながら真剣に話してくれる
みんなよりちょっと遅れてしまったけど
ちゃんとジェルにいに謝ろう
許してもらえなくたって何度でも謝るしかない。
そして今はジェルにいを助ける番
次こそは間違えないように…











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。