ジェルside
なーくんやるぅとくん、ころちゃんに連れられて家に入る
体のけがもだいぶ治って来たから、退院してもいいって言われたらしくて
俺が戸惑いながらも家に入ると、るぅちゃんが家を案内してくれた
家の中を案内してもらって、どこに何があるかを教えてくれた
けど、あんまりしっくりこない
まあ記憶ないからあたりまえか…w
俺の部屋に入る…
けど、そこにはほとんど何もなかった
るぅちゃんがつぶやく
俺、そんなことしてあげてたんだっけ…
なんかおもいでがあるようなきもしなくないけど、いまいちわからない…
るぅちゃんが励ましてくれる
幼いなりに、たくさん頑張ってくれてるんだろうな…
こんな優しい子に負担かけるわけにはいかな
るぅちゃんだけじゃない
他の弟たちにも俺のせいで無理させちゃいけない
親だっていないらしいんだから
そんな中で支えてた俺が記憶を失って
今、迷惑かけっぱなしなんだから…
るぅちゃんと別れて、そのあと部屋に戻る
改めて見回す
けど、部屋にあるのは勉強机と学校の教材
あとはバイトの名札とか仕事関係の物ばかり
部屋の隅っこに落ちていたカレンダーを拾う
毎日バイトとかで予定ぎっしり…
親の分、頑張って働いてたんかな…
なー君たちの話を聞いたり、俺の私物を見たりする限り記憶を失う前は物凄く頑張ってたんだと思う
だけど、今はなんかもう人ごとにしか思えない
なんていうのかな…
もう疲れたというか
思い出したくないような感じがする
ハッキリとは覚えてないし、何があったか知らないけど
何となく漠然と嫌な感じがして
思い出したくない過去があるような気がして…
なんか、考えるのもめんどくさくなってきたな…w
るぅちゃんも言ってくれたように、ゆっくりでもいいから取り戻していけばいいか…
急に部屋に入って来たかと思うと泣きながら謝る莉犬
意味が分からなかったけど、とりあえずぎゅーッてして慰める
そういえば、記憶を失って目が覚めたときもなーくん、謝って来たな…
なんかされてたんかな…
俺に抱き着いてる莉犬を見てさとみが言う
それから、みんなでリビングに集まって食卓を囲む
ホントはそんなにお腹がすいてなかったけど無理やり詰め込む
せっかく作ってくれたんだし食べないといけないって思いながら…
それから、ご飯が食べ終わった後みんなで物置部屋までいく
汚いんかなーって思ってたけど案外きれいに整頓されてて、欲しいものとかすぐ見つかった
みんなが色々探してくれて、昔の物とかたくさん出してくれた
みんなが色々夢中になって見たり探したりしている間に時間がたっていて…
るぅりーぬとか眠たそうにしてきた
パッと時間を見るともう九時過ぎ
結構早起きしてるらしいし、もう寝ないとな…
俺のせいで起こしておくわけにもいかないし
俺は部屋の片づけとかして、みんなが寝たことを確認してからさっき出してもらった写真たちを見る
なんか夜もなかなか寝付けないんだよねw
パラパラめくっていくと、俺がちっちゃいとき…
お母さんとかお父さんがいたときの写真から、最近のみんなの写真まで入っていた
弟たちの成長記録みたいな感じで色々な行事とかの写真があった
一通り写真を見終わった後、俺の卒アルを見る
自分を見つけたりとかしてたけど…
最後のページをめくった時に何か紙が出て来た
どうやら昔の俺が書いたらしくて、内容が気になって読んでみる
そこに書いてあったのは、いじめられていることとか、弟たちに嫌われていることとか
予想もしなかったようなことばかり
友達だけならまだわかる
別にありがちな話。学校なんて多くの人に嫌われたらいじめられるようなものだし
でも。
家族にまで、嫌われて、いじめられてたなんて
一番思い出したくないことを知ってしまったせいか
過去の思い出がどんどん浮かび上がってきて
同時にひどい頭痛もする
親が居なくなった時の出来事
それから兄弟に無視されだしたこと
学校でのいじめ
過酷な量のバイト
それからする家事
色々なことを思いだす
頭がズキズキして
思わずしゃがみ込む…
数分後、やっと頭痛が治まる
けど、それと同時に絶望感とこれまで我慢してきたことが一気に押し寄せてきて
記憶を失う前も、失ってからも。
家族に迷惑かけないようにって、みんなが不自由ないようにって頑張ってきた
周りに合わせて、みんなが不安にならないように笑顔で…
だけど、もう疲れた…
記憶を取り戻したけど
結局残るのは想い出せてうれしい、じゃなくって…
嫌な気持ちと、不安な思いだけ…











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!