ななもり。side
ジェルにいが家に帰ってきた日の夜、俺たちはちょっとでもジェル君に記憶をと戻してもらうために昔の写真とか卒アルとかを渡した
みんな懐かしくて結構たくさん見ちゃって、ジェルにいは夜みんなが寝た後見るって言って部屋にもっていった
俺は早くジェルにいの記憶が戻ればいいなーなんて軽いことを思いながら眠りについた
次の日
目が覚めてパット時計を見ると朝の五時
いつもなら六時くらいにゆっくり起きてくるんだけどなんだか早く目が覚めた
ジェルにい、大丈夫かな…
何だか嫌な予感がしてベッドから起き上がる
まだ、ジェルにいも誰も起きてない、よね…
隣の部屋を見ると、少し電気が漏れていた
…ジェルにい、もう起きてる…
そういえば病院の先生もはやく起きてるって言ってたし…
6時くらいかな、って思ってたけどこんなに早く起きてたんだ…
恐る恐る部屋に足を進める
何を言っても俺に背を向けたままで返事もしてくれない
もしかして、なにか、あった?
いつもと違う雰囲気に何を話せばいいか分からないままいろんなことを口走る
俺が記憶のことに触れた瞬間
ジェルにいは手に持っていたアルバムたちを落とした
ジェルにいがつぶやいた言葉に俺は記憶を取り戻したことを察した
でも、そのトーンと内容は
ジェルにいが壊れてしまったことを表すのに、十分だった
そうやってジェルにいが振り向く
その顔はぞっとするほど冷たく
光も何もなかった
さとみくんところちゃんが俺たちの声と物音に目を覚ましたのか二人が起きてきた
その言葉だけで二人は勘づいたらしく、二人からも笑みが消える
いつも通りの落ち着いた、冷静な声
でも、その言葉一言一句にジェルにいの想いが詰まってて
すべて正しくて何も言えなくて
俺たちは何もできなかった…
ジェルside
あの後結局眠れなくて
何となく手首にカッターを走らせて
ボーっと過ごしていた
そのうち、なーくんが起きてきて話しかけてくる
いつも通りおはようって、笑顔で返そうって思ったけど
何も反応できなくて
なー君の言葉に反応して出て来た俺の言葉は冷たくって残酷な言葉だった
自分でもわかってる
ひどいことを言ってるのも。だけどいったん壊れてしまった心は元には戻らない
出てきてしまった気持ちは、言葉は止まらない
我慢してきたことが全部出てくる
ただただしんどい…
手首に傷ができていたのも
あんなに早く目が覚めるのも夜寝れないのも
ご飯が全然が食べれないのも
ぜーんぶこういうことだったんだ…
気が付いたら、るぅちゃんも莉犬も起きてきて俺のことを心配そうに見つめていた
いつもなら、また笑ってってしてたけど
今はもうすべてめんどくさい
もう誰も信じられない
心配することもみんなを笑わせることも疲れた
みんなのことも…
自分のことでさえ
どーでも、いい…
なーくんが泣いてる
みんなが泣きながら謝ってる
あれ、俺って必要とされてたの…?
もう、何が何だか分からなくなってきた…
俺は何をしたらいいの…?
何をすべきなの…??
俺は、これから、どうしていけばいいの…?
頭の中がぐるぐる回ってる
そのうちぼんやりしてきた
寝てないせいか、ご飯が食べれてないせいか…それともリスカからの貧血…?
わからないけど体が限界…
俺はみんなに囲まれながら倒れた
すれすれのところでさとみが支えてくれた
みんなが慌てる姿を最後に
俺は意識を飛ばした
アンケート
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なーくん
15%
ジェルくん
31%
さとみくん
10%
ころちゃん
16%
莉犬くん
22%
るぅとくん
7%
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。