第84話

83.
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2024/05/27 14:00
  







次の日、普通に登校した


テストが何日目かなんて興味もない


教室に入って


のうのうと、席に座っている加山たちの目の前へ立つ


怒り。なんていう


単純な感情ではない


背負っていたリュックからボールペンを取り出して


一番近くのやつに突き刺した。


教室中がどよめいたのにも気づかなかった


そいつの呻き声を


きっちり脳に焼き付けてから


加山の周りにいる奴らは


全員分厚い教科書で殴りつけた


誰の血なのかもわからないほど


次から次へと人が倒れて


辞書のような教科書は真っ赤に染まっていった


そこで初めてクラス中が俺を見てることに気づいた


それなのに誰も止めにこない


みんな、その場に固まって


笑えてくる。


残るは加山だけになって


ただただ、応戦もせずに見ていた加山の目の前に立つ


睨みつけてもこなかった。


ポケットから折りたたみナイフを出して


カチャカチャと刃を出す


周りがざわつくのが分かる


でも、周りの反応なんてどうでもいい


勝手に騒いでろ


手に持ったナイフを加山の机に置いた



北斗「刺してみろよ、孤崎にしたみたいに」

加山「俺が刺したわけじゃない」

北斗「でもお前が指示したんだろ」

加山「あそこまでするつもりなんてなかった」

北斗「手遅れだよ、もう、意識が戻ることはないって」



加山は震えていた


充血しきった目で俺を見上げる


そうさせたのは紛れもなくこいつなのに


こんな世界狂ってるんだ


俺が終わらせる


孤崎の分まで


もう全部救ってやる。


加山はとうとう立ち上がって


ナイフを手に取り俺の首元スレスレに突き立てた



加山「 俺はっ、!!!お前が孤崎を庇ったことだけは、許せなかった、」

北斗「 そんなこと、?」

加山「調子に乗るもの大概にしろよ、あいつはそうゆう性格なんだよ。誰か一人に異様に執着したがるんだ、そうやって自分を守ってんだよ」

北斗「知ってるよ。べつに絶対俺じゃないといけないとなんて思ったこともない。でも、お前でもなかっただろ?」



加山は俺を殴り飛ばした


倒れた俺の体にまたがって


また、拳を振り上げる


顔に雫が落ちてきて


驚いた。


加山が泣いていたから



加山「俺だって、あいつのこと好きで何が悪い、!!お前に取られて悔しくて何が悪いっ、!!!!」



そのまま殴ることはなく


ぐちゃぐちゃな顔のまま


俺にそう叫んだ


その大きな体を揺らしながら


ボロボロと泣いていた












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