第4話

8/12 とある日の朝
31
2020/11/24 12:42
8/12
午前7時
まだまだ暑さが続くある日。
■■城の図書室にて
オリヴィア
オリヴィア
ふぅー…、ここの資料のまとめ終わり。
彼女は広い城の図書室で作業をし終わっていた。
「図書室は涼しいから作業が捗る」という理由でここにいる。
図書室が涼しいというのは学校だけではないようだ。
オリヴィア
オリヴィア
そうだ、あの子のところに行きましょう。
オリヴィア
オリヴィア
今日はご主人様の予定は特に無さそうですし。
持っていくものを決めて、あの子のところへ向かう。
花の匂い
行き交う人々の声
遥か遠くまで青く澄んだ空
だんだん昂揚する私の心
空間と空間を繋ぐ扉を開けてあの子の住んでいるマンションの近くに移動する
階段を上り、最上階に出る
そして、扉の前。
インターホンを鳴らす
オリヴィア
オリヴィア
レインさーん!
オリヴィア
オリヴィア
入りますよー!
扉を開けた。
愛しいあの子の香りがする。
レインは相変わらずベランダの柵に座って、遠くを見据えた、澄んだ瞳で空を仰いでいる。
レイン
レイン
……。
風に揺らぐ美しい銀髪
光が反射して白く輝く彼女の柔肌
オリヴィア
オリヴィア
レインさん?
オリヴィア
オリヴィア
レインさんってば!
レイン
レイン
あっ、オリヴィア…
レイン
レイン
ごめん、気づかなかった…
オリヴィア
オリヴィア
何度呼んでも気づかなかったということは、もしかして何か難しい事でも考えてました?
オリヴィア
オリヴィア
私分かります!( •̀ω•́ )✧
レイン
レイン
ふふっ
彼女はベランダの柵から降り、私の近くに駆け寄って、挨拶のハグをした
オリヴィア
オリヴィア
あ、これ差し入れです。
レイン
レイン
こ、これって…!
目を輝かせながら紙袋の中身を見ている
中身は彼女の大好物のドーナツ、マカロン、紅茶だ。
オリヴィア
オリヴィア
良ければ一緒に食べますか?
レイン
レイン
もちろん!
レイン
レイン
一緒に準備しよ!
オリヴィア
オリヴィア
はい!
部屋のキッチンで紅茶を淹れ、ドーナツとマカロンを皿に移し、冷蔵庫に入っていたチョコシロップとホイップクリームで皿の余白を彩る。
オリヴィア
オリヴィア
レインさん、紅茶はミルクティーがいいですか?
レイン
レイン
うん!
レイン
レイン
あ、2人お揃いにしよ!
オリヴィア
オリヴィア
いいですね!
出来上がったお菓子達をプレートに並べ、テーブルまで運ぶ。
そして向かい合わせの形で座る。
レイン
レイン
なんだかお茶会みたいね
そう言って彼女は笑う。
私もそれに返す
オリヴィア
オリヴィア
そうね
笑い返す。
それからは2人きりの楽しい時間が流れていった。
オリヴィアの城での話、レインのゲームの話、お互いの好きなものの話、
2人はとても幸せそうにしている。
そして、午後5時。
オリヴィア
オリヴィア
もう5時…、楽しい時間は速く感じるものね。
レイン
レイン
うん、私、オリヴィアと話せてとても嬉しかったよ
オリヴィア
オリヴィア
それは良かったです(*^^*)
オリヴィア
オリヴィア
私、そろそろ城に帰らなければいけません
レイン
レイン
うん、また2人でお話しようね
レイン
レイン
またね!
オリヴィア
オリヴィア
また!
玄関を出る
外の空気が私の肺に吸い込まれていく
階段を降り、マンションから出る。
「扉」を開け、城に戻る。
今日はとても楽しい日だった。
オリヴィア
オリヴィア
また会いたいな。
とある夏の日の出来事だった。

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