第5話

花鳥風月◆5
917
2019/05/23 14:06
看護師
亡くなられました





乱数の誘いはいつも唐突だ。

だから、今回もあまり気にしなかった。

あのひと言を聞くまでは。






















夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
え、旅行?
飴村 乱数
飴村 乱数
うん!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
三人で、ですか?
飴村 乱数
飴村 乱数
もちろんだよ!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
当然、旅費は各自負担ですよね?
飴村 乱数
飴村 乱数
当然でしょ!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
そして、帝統の分は我々が割り勘だと
飴村 乱数
飴村 乱数
そうだね!
幻太郎と乱数は、同時に、アイスを頬張っている帝統の方を見た。
有栖川 帝統
有栖川 帝統
ん? どした?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
まるで他人事のように......はぁ
あなたにもっとお金があれば......
飴村 乱数
飴村 乱数
まぁまぁ!
それよりさ! 上の方に行きたくてね!
有栖川 帝統
有栖川 帝統
お! 良いじゃねぇか!
暑さから解放されたら、楽に過ごせそうだし!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
上のどこに行きたいんですか?
幻太郎は、原稿と向き合いながら話している。
飴村 乱数
飴村 乱数
北海道!!
有栖川 帝統
有栖川 帝統
賛成!
いえーい!と、乱数と帝統は勝手に盛り上がっていた。
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
旅行に行くのは構いません
ですが、行くなら行くで、それまでに仕事を終わらせておかないと
飴村 乱数
飴村 乱数
そうだね! 幻太郎ファイト!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
あなたもでしょ、乱数
幻太郎は、はぁっとため息をついた。

今の幻太郎の仕事は、新しい内容に変わったばっかりだった。

乱数もその時期を狙ったのだろう。

幻太郎は、今仕事を中断しても、問題はない状況だった。

乱数も、あらかた片してきたのだろう。

余裕で延び延びとしている。
有栖川 帝統
有栖川 帝統
おっしゃ!
じゃあ、いつ行く?
飴村 乱数
飴村 乱数
そうだね~
来週あたりなんてどうかな?
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
早くないですか?
飴村 乱数
飴村 乱数
実はね、僕、来週から休み取ってるんだ!
夢野 幻太郎
夢野 幻太郎
準備万端ってわけですね
飴村 乱数
飴村 乱数
そーゆーこと!
眩しいくらいの笑顔をする乱数は、うきうきしていた。

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