第6話

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2023/01/09 04:19 更新
私が17くらいの時だっただろうか。

太宰に頼みがあると呼び出された。

なにやら太宰が拾ってきた子の様で、少しの間だけその子の教育をしてほしいとの事だった。
あなた
何で私が?
太宰治
仕事が入ってね。勿論お礼はする。
あなた
面倒くさ…。まぁでも、西洋菓子ケーキ買ってきてよ。それで交渉成立にしてあげる。
んで、どの位厳しくすれば善い?
太宰治
この世界で生きていける位。
あなた
…分かった。でも私、マフィアの世界は知らない。ある程度は厳しくて善いって事だよね?
太宰治
勿論。但し殺さない程度にね。
あなた
分かってる。



初めて会った時の彼は、己の人生に価値を見出していない、そんな目をしていた。
あなた
少しの間私が君の面倒を見る。
さ、始めるよ。
少し相手をしていると、すぐに彼の息が上がり出した。
あなた
もう疲れたの?私に1つの攻撃も与えていないのに。
芥川龍之介
くっ…。
あなた
君、そんなんじゃすぐ死ぬよ。
あなた
本当なら私がこうやって話している間に君はもうとっくにあの世だ。
芥川龍之介
…まだだ…。
あなた
そう。まだ動けるでしょ。
成程。根性は思ったよりある様だ。荒削りだが磨けば光るだろう。
あなた
君は強くなれる筈だよ。それは私が保証してやる。マフィアで生きていくなら、もっと強くなれ。
芥川龍之介
…はい。
あなた
そろそろ太宰も帰ってくるだろうし…。少し話そう。
芥川龍之介
…僕と?
あなた
うん。君と。
あなた
君名前は?
芥川龍之介
芥川龍之介…。
あなた
じゃありゅうくんね。
芥川龍之介
りゅうくん…?
あなた
君のこと。
好きな食べ物は?
芥川龍之介
…特にありません。
あなた
じゃあこれから探せば善い。
嫌いなものは。
芥川龍之介
…犬と風呂です。
芥川龍之介
…あなたさん。
あなた
ん?
芥川龍之介
…好きな物は。
態々聞き返してくれるりゅーくんが何だか可愛らしい。
あなた
西洋菓子や果物。特に苺や無花果が好き。
芥川龍之介
嫌いな物は。
あなた
うーん。銃声。五月蝿いから嫌い。後は空腹。やる気が全く起きなくなる。
芥川龍之介
成程。
太宰治
戻ったよ。あなた有難う。
あなた
太宰。西洋菓子は?
太宰治
これ。どうせ今食べるんでしょ?僕も一休みしようかな。
構成員
あの、首領がお呼びです。
太宰治
はぁ…。最悪。
あなた
あーあ。
太宰治
仕方ない。今行くよ。じゃああなたまたね。
あなた
うん、頑張れー。
箱を開けると無花果の西洋菓子が。

太宰、覚えてくれてたんだ。なんか意外だな。
あなた
りゅうくん、無花果ひとつあげる。
芥川龍之介
で、ですが…。
あなた
今日のご褒美と激励の意味を込めて。
無花果を一つフォークで刺し、彼の口元に持っていくと彼は少し遠慮がちに口を開きそれを食べた。
あなた
どう?
芥川龍之介
はい、美味しかったです。
ほんの少し口角が上がった彼。それを見て私も笑顔になる。


うん、矢張り美味しい。
あなた
美味しかった。じゃあ私は帰るね。
芥川龍之介
あの、あなたさん。
あなた
どうした?
芥川龍之介
僕はもっと強くなります。太宰さんや、あなたさんに認めてもらえるように。
あなた
…分かった。楽しみにしてるからね、りゅうくん。




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